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デジタル版・新聞

コラム 来夏の映画観ようよ

キングダム

殷周秦漢隋唐宋元明清…受験勉強の際、呪文のように暗記した中国史における主要な王朝名。こんなものを覚えたところで将来一体何の役に立つのだろう、と当時は思っていたが、例えば“ラストエンペラー”鑑賞時には、ああ、これは最後の王朝『清』の皇帝溥儀の物語だ、そして本作“キングダム“は、史上初めて中国を統一した『秦』の始皇帝にまつわる物語か、と内容を理解するのに非常に助かった。

紀元前245年、500年もの長い戦乱が続いていた春秋戦国時代の中国。
孤児で奴隷の少年、“信”は売られた奉公先で同じ年頃の“漂”と出会い、一生奴隷ではいたくない、ここから抜け出すためには剣術で強くなり「天下の大将軍」になるしかない、と共に夢見て意気投合し、まるで兄弟のように仲良く育った。
奉公の合間に剣の稽古に明け暮れていたある日、身分の高そうな者が訪れ、漂の顔を見るなり王宮に仕えないかと話を持ちかけてきた。突然のことに驚く漂と信だったが…。

古代中国といえば去勢された役人『宦官』の存在や、親指以外を折り曲げて畳み、無理矢理足を小さくさせる『纏足』の風習などが怖く、あまり関心がなかった。
しかし、本作に登場する若き“始皇帝”といえば彼自身の巨大な墓とそこに埋葬された等身大の兵士や馬をかたどった兵馬俑というミステリアスな要素や、万里の長城を築いた人物ということでとても興味が湧いて観た。映画内での豪華俳優陣の殺陣、アクションシーンももちろん素晴らしかったが、史実にも残っている王宮内での謀略が生々しく、広大な地域を治める一国の長にはかなりの知恵と野心、人望が必要なのだなと感嘆した。今この時代に同じような高いリーダーシップを持つ者などいるだろうかと色々考えあぐねながら。

中国史も面白いものだ!と思わせられた上、歴史に限らず何事に対しても、勉強して得た知識は決して無駄にならないと妙に納得する機会となった。三次関数や化学も投げ出さなければ良かったかもしれない。

加西 来夏 (かさい らいか)

映画は年間100本以上視聴、訪問39ヵ国〜の旅する映画ラヴァー/注文してから1ヶ月超、オハイオ州からやっとスケートボードが到着! いや、こんな状況下で届いたこと自体が奇跡ですよね。

 

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