実は先日、四年ぶりに日本に戻っていました。ハワイに来た時は、もっと早く一時帰国を考えていたのですが、日々の生活に追われているうちにコロナ時代に突入し、機会を逸し続けていたのです。たった二週間の短い時間ではありましたが、東京と故郷・香川でゆっくりとした時間を過ごすことができました。
……と言いたいところなのですが、実際はこれでもかというくらいドタバタな毎日でした。2歳半になる甥っ子連れだったこともありますし、記録的な暑さで体力を削られ続けていたこともありますし、ありがたいことに会いたいと言ってくださる友人が多く分刻みの売れっ子芸能人並みのスケジュールで動いていたこともあります。他にも、銀行や役所などにも行かなければならず、とにかく忙しい毎日でした。
とはいえ、念願の日本の食べ物もたらふく食べられたし、大型書店にも行けたし、美容院にも行けたし、楽しい滞在となりました。
食べ物の話をすると、東京では友人が和食や宇治金時のお店に連れて行ってくれたので、久しぶりに本当の「和」な食べ物を満喫することができました。
会社員時代によく通っていた、当時の会社の近くの中華料理屋にも行くことができ、なんだかノスタルジックな気持ちになりました。あの頃は、目の前のことで精一杯で、まさか自分がハワイに移住するなど思ってもみませんでした。人生とは何があるかわからないものです。
香川に帰ってからは、やはりうどん。ガイドブックに載るような有名店にも行きましたし、地元の人しか知らない隠れ名店にも足繁く通いました。ツルツルとした喉越し、それでいてモッチモチの歯ごたえの讃岐うどん。やはりこればっかりは香川県で食べるということの意味があるように思えてなりません。大根おろしやネギ、天かすといったトッピングは当たり前のように乗せ放題。お店の経営が心配になってしまいますが、遠慮なくのせて、出汁まで完食。それが「うどん県民」スタイルです。
他にも、フラッと立ち寄ったコンビニで買ったお弁当やホットスナック、缶酎ハイ。モスバーガーや吉野家などの、ハワイにはないファストフード。パーキングエリアのソフトクリーム。どれをとってもとにかく美味しい毎日でした。恐れていた通り、体重は右肩上がりでしたが、それは幸せの重みということにしておきたいと思います。
CAN OF ALOHA No.83
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_days をご覧ください。