この季節になると、日本にいた頃のあの苦しみを思い出します。眼球を取り出して丸洗いしたくなるような壮絶な目のかゆみ、とまることのないくしゃみに鼻水、それに加えて肌もひりひり。次第にのども耳も痛がゆくなってきて、何が何だか。そう、花粉症です。私は小学校のころからひどい花粉症持ちで、毎年この季節が大嫌いでした。花見なんてもってのほか、家に帰ったら玄関で服を脱いで、スギへの恨みつらみをつぶやきながら即シャワーへ。そんな毎日を過ごしていたものです。ハワイに来てよかったことの一つが、その苦しみから解放されたことでしょうか。
とはいえ、この自然豊かなハワイに花粉がないはずがなく、ハワイに来てしばらくの間はマンゴーの花粉症に悩んでいた時期があります。幸いにも目は何ともなかったのですが、鼻水と鼻の粘膜の荒れにひどく頭を抱えました。そして、薬局で相談して買った薬が効きすぎたのか、一日に15時間も寝てしまったこともあります。今では笑い話ですが、当時は「もしかして日本にいた時のようにひどい花粉症になってしまうのでは」とハラハラしたものです。
このように、地球上どこにいても逃れられない花粉症。花粉症はアレルギー反応のひとつで、体が花粉に対して過剰に反応してしまうことが原因です。食べ物のアレルギーと並んでよく知られていて、日本に住む4人に1人が花粉症に悩んでいるといわれています。人によってその原因も症状も異なりますが、患って気持ちのいいものではない、というのは満場一致でしょう。
そんなつらい花粉症、病院や薬に頼るほかにも、乳酸菌を摂って腸内環境を整える、物理的に花粉をシャットアウトするなど色々な対策があるようです。私も花粉のシーズンになるといつもよりは多めに野菜や果物を食べ、まめに掃除機をかけたり洗濯したりするように心がけています。窓を開けて喚起する代わりに空気清浄機も導入しました。それらのおかげか、はたまた皮肉にも続けざるを得なかったマスク生活のおかげか、今年は多少むずむずするくらいで済みました。
花粉症は、我々人間からすると迷惑な話ではありますが、それも大切な自然の営みのひとつ。植物がその命をつないでいくためには不可欠なのです。そう寛大な心でいようとしつつも、それでもやはりカユイカユイの毎日はこりごりだなと思うのでした。
CAN OF ALOHA No.76
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_days をご覧ください。