日本人の宇宙飛行士、新型宇宙船で ISSに無事到着!!
日本人の宇宙飛行士野口総一が米最新型民間宇宙船に乗り、国際宇宙ステーションを目指し出発、見事成功した。野口さんは現年55歳、今回の飛行は10年ぶりの宇宙飛行第3度目である。彼が乗ったのは米国の最新型民間宇宙船「クルードラゴン」であり、国際宇宙ステーション(ISS)にこれから約半年滞在し、IPS細胞を使った実験や超小型衛星の放出などに挑む予定になっている。
野口聡一さんは日本のベテラン宇宙飛行士であり、かつて米航空宇宙局(NASA)のスペースシャトルとロシアのソユーズ宇宙船に続き、今度はまたしても新しい宇宙船に搭乗することとなった。
今度のクルードラゴン宇宙船は、米宇宙ベンチャー「スペースX」が開発した、ISSを往復できる初めての民間宇宙船であり、今年の5月に人を乗せた試験飛行に成功し、今回が第1回目の実質運用飛行となった。一緒にこの宇宙船に乗って国際宇宙ステーションへ向かった他の3人の宇宙飛行士はすべてがアメリカ人で、野口さんが唯一の日本人であり、彼の船内における主な任務は、酸素や温度といった船内環境の制御のほか、地上の管制センターとの通信などを担うことになっている。
ISSでの長い半年の滞在中、野口さんは日本の実験棟「きぼう」で科学実験や超小型衛星の放出などの実験を担うことになっている。その一つがIPS細胞を使う実験である。それは肝臓のもととなる組織を宇宙で培養し、地上と比べて成長がどう違うかを確認することである。その他にも、例えば紙やポリエチレンが微小重力下でどう燃えるのかを確かめたり、たんぱく質を結晶化させたりするほか、日本の学生が外国人留学生と共に開発した超小型衛星を放出する実験を行うことである。野口さん曰く「超小型衛星の放出など宇宙での科学実験は既に新たな時代に入っている。このような新しいミッションが楽しみだ」と言う。
人類がアポロ11号で月に着陸して今年で51年目になる。今日ではあらゆる人が月や火星へ向かおうという時代になってきている。特殊な技能と訓練を受けた宇宙飛行士が伝道師として宇宙への第一歩を無事に踏みだすことが出来れば、これからの我々は、この住み慣れた惑星から何時でも他の惑星に飛び出し、無尽にある宇宙の空間を行き来が可能になり、人類の活動空間が無限に拡大できるようになってくる。
時代は既にあらゆる人々が月や火星へ向かおうという時代になってきている。宇宙開発は国際協力が当たり前の時代になり、民間の参加も今や不可欠となっている。野口さんが搭乗する宇宙船「クルードラゴン」は、以前のような米国の国家機関ではなく、民間企業「スペースX」の開発によるものである。
野口さんがこの栄誉あるクルーの一員に選ばれ、人類の宇宙開発のために尽力を惜しまぬ壮挙は、我々日本人としての誇りである。日本にはその他にベテラン宇宙飛行士若田光一さんや古川聡さんらがいる。彼らも既に野口さんのように「人類の宇宙活動の領域拡大に貢献したい」と生気込んでいるという。
今どき ニッポン・ウォッチング Vol.192
早氏 芳琴