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今どきニッポン・ウォッチング

【今どき ニッポン・ウォッチング】政府「大阪万博」の予定通り開催を「全力」支援すると表明

 2025年に予定されている「大阪万博」の会場であるパビリオン建設地の人工島・夢洲には、本来なら今、いたるところに大規模な土木工事が展開されているはずなのに、一向にそのような気配がみられない。この万博計画を主催してきた関係当局である国、大阪府・市、および日本国際博覧会協会(万博協会)は、一体どのようにこの準備の遅れを解決しようとしているのか、全世界の注目するところである。254月の開催まであと約1年半余りしかない、準備が間に合わないとの懸念が高まっている。

 日本の西村経済産業相が指摘する当面の緊急課題は、海外パビリオンの建設促進を強力に進める必要があるという。それは国外から参加する国・地域が独自に建てる「タイプA」のパビリオンの建設促進を急速に進めることである。着工申請から年内に工事が始まらなければ開幕に間に合わない可能性もある。そのため万博協会は、工期の短縮工法等を既に各国に提案している。

 全体的に国内外のパビリオン建設が遅れている原因は、ロシアのウクライナ侵攻の問題や、世界的な建設業界の深刻な人手不足に建設資材の高騰も加わり、各国・地域では建設会社との協議が滞っている恐れがあるという。このような苦境に直面しているのは、日本関連の施設も同様である。競争入札の不調が相次ぎ、予定価格引き上げや簡素なデザインへの変更で入札のやり直しが続出している。日本国際博覧会協会が担うテーマ館の一部でも、建設業者が未定のままになっているのもあるという。

 万博の会場建設費を巡っては,誘致した当初は1250億円と想定していたが、資材費の高騰や施設の利便性の向上を理由に、2012月に1.5倍の1850億円に引き上げたが、その後ロシアのウクライナ侵略や円安を背景に、資材価格や人件費の上昇が続いており、再度の増額が避けられないことになった。20年秋から21年春にかけて開催予定だったドバイ万博がコロナ禍で1年延期され、大阪万博の準備期間が短くなったことも理由として挙げられている。

 国民は「大阪万博」に明るいニュースが少なく、ただ会場の建設費だけが巨額に増え続けている状態に、失望感が生じ始めているようである。このような危機感を強めた岸田政権は8月末に関係者を集め、「万博の成否には、国際社会からの日本への信頼がかっている」と強調し、「大阪万博」を政府当局も責任をもって、どうしても必ず円満に成功させると、宣言したのである。

 日本政府最高責任者である岸田総理のこの一言、「あっぱれ」である!?

今どき ニッポン・ウォッチング Vol.272

早氏 芳琴

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