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今どきニッポン・ウォッチング

【今どき ニッポン・ウォッチング】太陽光発電パネルの大量廃棄に備えを!

 地球の急速な気候変動を防ぐため、専門家達が考案した諸政策には、太陽光、地熱、風力やバイオマスク等の再生可能エネルギーによる発電事業がある。我が国は国土が狭いうえ人口の密度も高く、それに事業経験と資金調達の諸問題を考慮した結果、当面は太陽光発電による事業を優先的に着手し発展させるのが、最善策であるとの結論に達した。

 太陽光の力を電気に変換するにはどうしても、出来る限り多くの太陽光発電パネルを地形の状態に応じ効率に配置し、太陽の光が長時間照射できるよう最善の工夫をおこなう必要がある。しかし地面に固定されている太陽光パネルは、どうしてもその大自然の変化に左右されてしまうのが、最大のネックであると言えよう。太陽光パネルの致命的な弱点は、その発電量は天候や季節による日射量の変化により、大きく影響を受けることである。そのため、日々の発電量を安定且つ効率的によくコントロールするには、専門知識を有する技術者の配置と操作に頼らざるを得ないのである。

 その他にも、太陽光発電パネルは必ず屋外に設置しなければならず、そのため、発電所敷地内の雑草の伸びによる日影や、大気中のほこり、花粉などの汚れの蓄積、それに上空からの鳥の糞などによる太陽の光が妨げられ、発電効率が下がることもあるというのである。

 太陽光発電パネルの使用耐久年数は、一般的に20年から30年と言われている。日本の「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」の推計によると、ピークとなる2036年ごろには年間約17万から28万トンの使用済みパネルが出る見込みがあるという。

 使用済みのパネルは再利用することもあるが、古いモデルの発電効率は非常に低く、買い手がなかなか付きにくい。分解することで、アルミや銀など価値の高い材料を取り出せば、他の機械製造に使うことも出来るという。一番困るのは、そのまま放置すると、有毒物質が漏れ出す危険性があると言うので、どうしても、早急の処置が必要となってくる。

 そんな中、日本の発電パネル製造の会社であるエヌ・ピー・シー社は、2019年には9割以上の材料を再資源化する機械を開発し、販売を始めたそうである。この機械の処理能力は1分当たり1枚の速度で、年間最大約4万枚のパネルを処理できるという。価格は大変高価で、1台約1億円。国内ではこれまで5台しか売れていない。外国からの注文は、昨年フランスから1台あったのみである。

 目下、全世界多数の国々には、無数の太陽光発電パネルが設置されている。しかし、これら太陽光発電パネルは、これから数年内には必ずやその発電寿命が絶えてしまうのは言うまでもない。この膨大な量の「廃棄物」を如何により安全且つ迅速に処理できる新しい設備の開発は、全人類共通の課題として、迅速に着手すべきであるといえよう。

今どき ニッポン・ウォッチング Vol.229

早氏 芳琴

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