日刊サンWEB|ニュース・求人・不動産・美容・健康・教育まで、ハワイで役立つ最新情報がいつでも読めます

ハワイに住む人の情報源といえば日刊サン。ハワイで暮らす方に役立つ情報が満載の情報サイト。ニュース、求人・仕事探し、住まい、子どもの教育、毎日の行事・イベント、美容・健康、車、終活のことまで幅広く網羅しています。

デジタル版・新聞

今どきニッポン・ウォッチング

【今どき ニッポン・ウォッチング】日本製の中古電車、性能が決め手に

 おおよそ全ての東京都民を始め、外国からの訪問客に、日本国内での交通状態について尋ねてみると、大多数の方々は「大変便利で、時間的に正確であり、安全で快適である」と異口同音に、褒めたたえるようである。それがゆえからか、日本近隣の東南アジア諸国には、過去幾つかの国から日本に対し、日本国内の鉄道輸送の技術を学び導入したいので、協力してもらえないかとの要望があった。

 そのような期待に応えて、最初に実現し現在も実際に運行されているのが、インドネシアで「第三の人生」を送っている元「山手線」であろう。かつて、「205系」の山手線車両は、1985年から2005年まで、主に東京都心を走っていた電車であった。その後武蔵野線や埼京線などにも活躍の場を移した後、今は遥々インドネシアで友好国の人々の、安全な公共交通として奉仕しているのである。

 

 実は、この山手線の車両が異国の地で活躍するようになったのは、インドネシアが近年急速な経済発展により、国内の交通渋滞が深刻化してきたためで、同国から「我が国に退役し使わなくなった車両を譲ってほしい」との要望があったからである。

 山手線が異国の地で活躍を続けている実情を知るや、他のアジアの幾つかの発展途上国も、インドネシアのような交通改善のための、協力関係を求めてきたのである。

 タイからの要請では、日本の特急「オホーツク」として多くのファンに愛されてきた列車を、タイ国鉄の観光列車として改造し、使用したいというのである。この譲渡計画では、計17両の車両の日本からタイの港までの運搬費、及びその他の諸経費を全てタイ側が負担した。一方、フィリピンも日本製の中古車両の譲渡を受けた実績があるため、マニラの都市鉄道では、日本製の新車を導入する計画になっているという。そしてミャンマーからは、JR東日本やJR東海の中古気動車を譲り受けたいとの要望があった。

 しかし、上述のように、近年東南アジア諸国は、急速な経済発展を遂げてきたため、国民の一部からは、日本の中古車両を譲渡してもらうよりは、むしろ諸外国の最新式の新車を購入した方が、多数の国民の期待に合致できるとの要望が出始めてきたのである。これこそが、アジア諸国の経済成長による新車導入の期待が強くなって来た主な原因である。

 

 日本の鉄道車輌製造関係者の話によると、アジア諸国のこの様な期待の変化は、日本にとっても新たな商機になりうる可能性が十分にあると言う。それは、新車需要を見込む日本や欧米、それに中国のメーカによる激しい販売合戦がこれから始まるからである。そうなれば、今まで日本製の車両を使用し、保養の経験があるアジア諸国にとっては、日本製の車両に対す親近感は他国よりも強い。そのため日本の新車の性能が確かに優れていれば、日本の新車が有利となるのは期待できると言うのである。

今どき ニッポン・ウォッチング Vol.228

早氏 芳琴

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial
Twitter
Visit Us
Instagram