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今どきニッポン・ウォッチング

【今どき ニッポン・ウォッチング】急発展する宇宙関連企業、猛追する日本勢

 目下、全世界には約1万社以上の宇宙関連企業が、総額約40兆円を超える市場でしのぎを削り、生存を賭けた争いが展開されていると、ある米国の宇宙財団が推計している。日本国内でも、この波に乗り遅れまいと、ベンチャー企業を先頭に企業の参入が相次いでおり、2020年には既に約50社を超え、5年前の3倍となった。

 今や、宇宙産業界は、急速な変革の時代に突入しているとも言われる。それは、全てがデジタル化の進展により、ビッグデータがビジネスの生命線となるなかで、人工衛星で地上を撮影・観測して得られるデータは極めて重要との認識が、世界的に広まってきたためでもあろう。

 

 現在世界で主流となっているのは、小型の衛星による地球観測や通信サービスである。即ち小型で性能の優れた数億或いは数十億円の、比較的小型の衛星を打ち上げる方が、故障や更新に対応しやすい、ということである。それは、部品の高性能化と研究開発が迅速に改善されてきたからでもある。日本は、小型衛星開発の草分けの国であり、今や好機の到来と言えよう。

 衛星やロケットなどの開発には、初期に多くの資金と時間が必要である。宇宙産業における技術開発や事業展開のスピードが、海外勢に追い付かないのが日本の大きな弱点である。加えて、株式上場も視野に資金調達を進め、試行錯誤のサイクルを早める必要が外国勢に及ばないのも、ネックになっている。

 この様な宇宙開発を担う新興企業を大きく育てるには、政府の大型計画の委託や、投資するベンチャーキャピタルが資金を出しやすい環境整備なども、検討する必要がある、これらも日本は諸外国に遅れている。

 日本の宇宙関連産業が、上記のように困難な立場に直面しながらも、この好機を逃がしたくないとする事業が、近年注目されている。その一つは宇宙に漂うロケットや衛星の残骸などのごみ(宇宙デブリ)回収サービスを目指す「アストロスケール」社である。当社は宇宙産業関連業界ではスタートアップのベンチャー企業である。しかし、当社は開発中の技術を活用できると信じ、実証するための衛星を去年打ち上げ成功させた。この新たな挑戦は、日本の宇宙産業界にとって、開発への強い決意の表明との評価もある。

 

 世界の宇宙産業市場の4割強を占めるのが米国である。日本は世界先進7か国(G7)の一員であり、先進国として果たすべき役割を果たし、人類の絶え間ない発展に貢献すべきである。

 日本の宇宙開発に関するこれまでの貢献の実績は、日本製の宇宙ロケットが諸外国のも含め多くの人工衛星の打ち上げに成功してきたこと、米国の宇宙船の船長を日本人宇宙飛行士が務め、任務を立派に成し遂げた成果、和食の宇宙食開発等々が、高く評価されていることである。

 これからの宇宙開発が、全人類の更なる幸せと発展に貢献できることを願って、我が国は今後も積極的に参加することは、当然であろう。

今どき ニッポン・ウォッチング Vol.225

早氏 芳琴

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