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今どきニッポン・ウォッチング

【今どき ニッポン・ウォッチング】「空飛ぶ車」、大阪万博で飛びたつか?!

 去年暮れ、米ラスベカスで開催された世界最大級の家電・ITの展示会「CES 2022」で、最も注目されたのが、アメリカ企業が展示していた「空飛ぶ車の実体機」であった。これは米新興企業「ASKA(アスカ)」が開発した未来の空飛ぶ車の実体機である。同社の予定では2026年には、「A5」と命名したこの「空飛ぶ車」を、市場で販売する予定になっている。この機体は六つのプロペラを搭載し、折りたたむと中型車ほどの四輪車に変形するというものである。

 動力源はモーターとエンジンで、一度に飛行できる距離は東京から大阪間に匹敵する400キロメートルある。すでに事前予約を始め、発売も視野に入れているという。ASKA社の会長が言うには「空飛ぶ車の展示では、これがわが社の最新の目玉商品である」と、同社がこの展示会で主役になったかのように、自画自賛していたのである。

 一方、我が国は世界の車王国であり、2025年の大阪万博の主催国でもあるため、この万博にはぜひ円満に成功をおさめたい気持ちで一杯である。しかしこの度の家電・ITの展示会では日本は、ASKAのような空飛ぶ車に関する有力な展示品がなかったためだろうか、会場の参加者は大きく失望してしまった向きもあったようである。

 我が国としては、次の「空飛ぶ車の万博」をぜひ大成功させたい決意があるのは言うまでもない。これからあと数年の時間があるということで、この期間に最高の展示品を製作し、それから正式に展示して、PRの段階に突入すればと計画を立てているようである。

 空飛ぶ車の最も気を遣う問題は、なんと言っても、「安全性」である。そのため我国はこの面に関する各種の必要制度の制定、例えば、操縦者のライセンスの創設、機体整備者にもライセンスを求める条例、それに飛行機の専用離着場の規定まで、そろえる必要のある各種の規定をまず整える必要に追われているのである。それに飛行経路下の住民の安全に関する問題の解決も不可欠であろう。

 ある研究所が調査した結果、空飛ぶ車の世界的市場は、2025年時点では約146億円だが、50年時点になると約122兆円に膨らむことが予測されている。そのためこれからの競争はますます激しくなるであろう。日本からは伊藤忠商事などが出資した「SkyDrive」があるが、米国の「ASKA」、フランスの「MACA」と韓国の「PLANA]などの各社が、この分野に参入する予定である。

 日本はまだこの分野では、実体機等の展示をしていないし、関係者の話では,きっと世界の車王国として、それに恥じない最高の「空飛ぶ車」が公開されることになると期待されている。

今どき ニッポン・ウォッチング Vol.253

早氏 芳琴

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