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今どきニッポン・ウォッチング

【今どき ニッポン・ウォッチング】なぜ円安でも日本で働きたい外国人が多いのか?

 昨年の東京外国為替市場では、毎日のように円安の発表が続いていたようであったが、今年なってから、ようやく円安の状態が少し持ち直されるようになり、経済関係者は少し安心できるようになってきた。

 周知のように、我が国は少子高齢化の極めて深刻な国であるため、多くの外国人の労働力を頼りに、活発な経済活動が維持できるようになっているのである。外国人の我が国での働きに対し、私たちが支払っているのは日本円であるため、円安の状態が長く続くと、最も影響を受けるのは、外国人労働者であることはいうまでもない。そのため、外国人労働者は日本を去り、他国へ移って働くか、あるいは母国へ帰る人も少なくないのである。

 我が国でもこのような現象が起こっているわけだが、幸い、諸外国に比べ、少し違った現象が起こっているのも事実である。すなわち、円安であろうと、やはり引き続き日本で働きたいという労働者がいるというのである。なぜこのようなことになっているのか? いくつかの調査結果は次のようなものである。

 ベトナムからの技能実習生として、6年前から大阪の建設会社で働いていたある若者は、「円安で収入は随分減ったが、別の国で働くことも頭をよぎったけど、日本にはお金だけじゃない良さがある」と言う。彼は「高校生のごろからアニメの「名探偵コナン」や「ドラえもん」が好きで、日本に行くのが夢だった。そして日本語を勉強しながら、家族の生活を楽にさせたいのが、日本に来た主な理由だった」と。

 彼は続けてこうも述べている。「日本にはお金だけじぁない良さがある。24時間営業のコンビニがどこにもあり、交通も整備されている。駅では駅員さんがやさしく道を教えてくれるし、安全で便利な生活ができるので日本で働き続けたい」という。

 東京のパーソル総合研究所の研究結果:世界18か国・地域の主要都市で働く人を対象にした昨年の調査によると、働いてみたい国のランキングでは、日本は米国に次いで2位、特に東南アジアでの人気が高く、タイ・インドネシア・ベトナムでは1位であった。

 そして、日本を選ぶ理由は「賃金だけではない」という。それは「給料、安全、便利さなど色々な面を見たときに日本はバランスがほど良よい感じがピカイチ」であるという。

 ネパールからきたある技能実習生も「日本では財布を無くしてもすぐに見つかり、夜道を歩いても襲われることがないほど安全なので、円安であろうと、私は日本で働きたい」と言う。

 このように見てくると、日本で働く外国人の多くは、ただ金儲けを第一目的としているのではなく、いろいろな違った目標と希望があるようである。

 日本としても彼らの違った各々の願いや目標が達成できるよう協力すべきであろう。

今どき ニッポン・ウォッチング Vol.251

早氏 芳琴

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