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今どきニッポン・ウォッチング

【今どき ニッポン・ウォッチング】我が国の深海の“宝” 確保と採掘

 ハワイで生活している皆様、「日刊サン」の読者の皆様、新年おめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。今年もお元気で、一緒に頑張りましよう!

 新しい年を迎え、皆様に嬉しいニュースを一つご報告させていただきたいと思う。それは20221031日読売新聞に掲載された「南鳥島沖レアアース採掘、水深6000メートル脱中国「依存開発」のニュースである。

 ご存じのように、皆様のご家庭で使われている各種家電製品や、スマートフォン、それに次世代自動車などの生産には、レアアース(希土類)が必須となっている。ところが,今まで我が国で必要なレアアースの多くは外国からの輸入に頼ってきた。それゆえに、我が国の南鳥島沖の海底には大量のレアアースが埋蔵されていることや、政府がこれから本格的に開発に着手することを知り、大きな喜びを感じたのだ。

 我が国が先進的な電気製品を開発・製造するうえで必要不可欠のレアアースが、自国で調達できることなれば、これに越したことはない。中国等の諸外国からの輸入に依存すれば、いつか我が国への輸出が停止されること心配が常につきまとう。政府も外国からの輸入に対しての依存度を早く減らし、最終的に完全に脱却を期待していたため、2022年度の第2次補正予算には、既に自国開発の関連経費に盛り込んでいるというのである。

 喫緊の課題としては、南鳥島沖にある我が国の排他的経済水域内の海底水深6000メートルに埋蔵されているレアアースを、いかに採掘し、地上に取り出すことができるかが我が国の最大関心事となっている。

 これまでの詳しい調査によると、同島沖の排他的経済水域(EEZ)の海底には、確かに大量のレアアースが存在しているのは事実であり、しかもその埋蔵量は国内消費の数百年分相当という推計も正式に発表されている。

 そして詳しい採掘の手順としては、まず内閣府の事業として、20228月から9月までに、茨城県沖での試験に成功していた我国の世界的に新開発した技術を用いて、試験的な採掘が行われていた。それが海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」で、深さ2470メートルの海底まで「揚泥管」を伸ばし、ポンプで1日約70トンの泥を吸い上げることができた、という。

 2023年度以降は、深海に対応するためにポンプの強化や揚泥管の延長などを進め、1350トンの採掘をめざすという予定になっている。

 中国では鉱山などでレアアースの採掘ができるのに対し、我が国は深海からの採掘では、どこまで経費の削減ができるかが問題となっている。政府は今後5年間でより効率的な採掘・生産の手法を引き続き研究開発し、2028年度から民間企業が参入できる環境を整えていく計画であるという。

今どき ニッポン・ウォッチング Vol.249

早氏 芳琴

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