パスタマシンでラーメン作り
友人の引っ越しに伴い、パスタマシンを譲り受けた。もしかして、これでラーメンの麺も作れるかも? パスタマシンというのは、パスタだけでなく、蕎麦やうどんも作れる万能麺マシンらしい。よし、ならばまず中華麺だ!
私は中華麺が好きなのだが、ラーメン屋さんのラーメンは苦手。お店のラーメンは私にはヘビーすぎるのである。しかし私も飲食店経営者のハシクレ。ラーメン屋で「スープ少なめで」などと頼むことはできない。どのお店もその店のスープと麺の黄金比を追及しているはずなので、それをボウトクすることになってしまう。スープはラーメンの命。魂のこもったスープを残すことも心苦し過ぎる。
このため、ラーメンを食べたいときは自分で作っている。夫には「お前が好きなのはラーメンじゃない。別の食べ物や」と指摘されましたが。
問題は、中華麺が手に入りづらいこと。選択肢も少ない。かくして、サイミンの麺に自作のスープというのが、なんちゃってヒカルラーメンだったわけである。中華麺は小麦粉と水、塩、そしてカンスイがあればできる。
カンスイというのはアルカリ性の塩水溶液で、小麦粉と混ぜることで、あの中華麺独自の風味が生まれる。そして、カンスイは重曹で代用できるらしい。それなら今すぐできる! さっそく挑戦してみた。
作り方はうどんとほぼ同じ。材料を混ぜてコネるだけ。中華麺はうどんほどコネなくてもいいらしい。ビニール袋に入れて、足でフミフミして折りたたむ作業を数回。その後、そのまま一時間くらい放置。これだけで生地作りは終了。あとはパスタマシンで製麺するだけ。
パスタマシンというのは実にシンプルな機械で、驚くほど優秀だった。クルクルとハンドルを回すだけで、簡単に美しい麺が誕生してしまう。手打ちうどんの作業と比べるとなんと楽ちんなことか。「もう手打ちには戻れない」と思ってしまった。
茹で時間は約1分。この日はスープとチャーシュー、煮卵、ラー油も制作。万全の態勢を整えて、いざ、賞味。 「これは、ラーメンです!」
初めての手作り中華麺。こんなに簡単においしくできるとは。これはラーメンだ。これはラーメンだ。ワレワレ夫婦は、感激のあまり同じ言葉を繰り返し続けたのであった。
※注意! 重曹はベーキングソーダのことです。ベーキングパウダーと間違わないようにね! 実は間違えてベーキングパウダーを使ってしまった私であった(でも十分にラーメンだったよ)。すぐにリベンジしたところ、今度こそ本当にラーメンでした。万歳。
No.196
相原光(アイハラヒカル)
フリーランスライター&翻訳
群馬県出身、早稲田大学卒業。2008年結婚してハワイに移住。夫は寿司シェフ。2012年4月双子猫パンとマーチを連れてハワイ島に引越。8月に玄米寿司とムスビの持ち帰り店「DRAGON KITCHEN」を夫婦でヒロにオープン。現在ライター兼寿司屋のお手伝いとして活動中。姉は漫画家の花福こざる。
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