パンはコネなくても本当にふくらむのか?
ロックダウン期間を利用して面倒くさい料理をいろいろ作っていた昨今、久しぶりにパンも焼いてみた。今回は四角いタイプのいわゆる「食パン」を作ることに。我が家では「フラットブレッド」が定番なので、食パンは初の試み。
いろいろレシピを調べてみたところ、フワフワなあの「日本の食パン」も簡単にできるらしい。ホンマに? お弁当のサンドウィッチは、硬いパンだと食べづらいので(仕事の合間に食べるため)、食パンならば理想的なんだけどなあ。
さらに驚いたことに、なんと「コネなくてよい」というレシピも多数存在する。パン作りは「コネ」がキモだと思っていたのだけれど、時代は変わったのか? コネなくていいのなら、そりゃあそのレシピを試してみたいよね。断然ラクチンだもん。
早速やってみようと思ったら、「なぜコネなくてもOKなのか」を解説している映像も発見。先に理由を知りたい! パンが膨らむ理由は2つ。「イースト菌の発酵活動」と「グルテンの形成」。グルテンというのはタンパク質の一種ですね。小麦粉に含まれるタンパク質が、水を吸収して網目状につながったものがグルテンとのこと。イースト菌が発酵して炭酸ガスを出し、そのガスをグルテンの網目がキャッチしてくれるため、パンがふくらむというわけ。なるほど。そして、グルテンというのは、タンパク質が水を吸収するだけで形成されるのだ! だからコネなくて大丈夫なんだって。ほー。
コネるのは、グルテンの形成を促進するため。コネない場合は、ちょっと時間がかかります。通常のパンレシピに比べて、水も多めにするのがポイントだそうな。
とまあ、理屈は分かったけれど、本当に上手くいくのかね? 半信半疑ながらもさっそく挑戦。生地を軽く混ぜて放置すること約2時間。おそるおそる確認したところ、ちゃんとパンの生地になっている! しかも、今まで作ったどの生地よりもなめらかでしっとり。1回もコネていないというのに、衝撃。あー、びっくりした。型に入れて二次発酵させて、30分くらい焼いてできあがり。もちろん、ちゃんとふくらみました。
さて気になるお味は、美味い! いやあ、これは美味しいわ。本当にふわっふわ。まさに日本の食パン。疑ってスミマセンでした。こんなに簡単にできるなら、これからはこのパンでいいや、決まり。もう買わなくていいじゃん、やったー!
忙しい現代人への難点は、ふつうのパンよりも時間がかかることかな? 時間があるときにまとめて作って冷凍しとくべし。 パンの生地って冷蔵庫に入れておいてもゆるやかに発酵し続けるので、時間がないときは材料を混ぜて冷蔵庫に入れておいてもいいかもね。
もうひとつ、夏のハワイでパンを作る難点といえば、暑いこと。日中にオーブンを使うと暑すぎる! というわけで、私は昼間準備して、涼しい時間帯になってから焼いてます。今日もこれから作りますよ!
No.195
相原光(アイハラヒカル)
フリーランスライター&翻訳
群馬県出身、早稲田大学卒業。2008年結婚してハワイに移住。夫は寿司シェフ。2012年4月双子猫パンとマーチを連れてハワイ島に引越。8月に玄米寿司とムスビの持ち帰り店「DRAGON KITCHEN」を夫婦でヒロにオープン。現在ライター兼寿司屋のお手伝いとして活動中。姉は漫画家の花福こざる。
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