迷子の子猫ちゃんお家を見つけるの巻き
我が家に突然現れた迷子の子猫ちゃんは、我家の軒下に定住してしまった。時々姿を消すのだけれど、ちゃんと戻ってくる。
そんな状態で1週間ほど経つと、チビはすっかりなついてしまったのだった。とりわけ夫を気に入ったようで、チョロチョロとくっついてまわっている。膝によじ登ったりもする。第一印象と違って、ものすごく懐っこい。
ヒューメインソサエティに連れて行こうかと思っていたけれど、これはもう飼うしかないんじゃないか? そうなると、問題は我家の猫たちである。18年間二匹で暮らしてきたところに、いきなり新人が入って上手くいくものなのだろうか。そう簡単に行くとは思えないんだけど。
しかし、我々は二人とも、こういう状況を経験したことがないので、どうすればよいのやら見当がつかない。そうだ、こういうときはセンパイに話を伺おう!
猫を7匹飼っている友人に連絡し、カクカクしかじか状況を報告すると、最初に注意した方がいいことを分かりやすく解説してくれた。
子猫を飼うなら、まず病院に連れて行って、健康診断を受けるのがベスト。ただ、子猫が小さすぎると予防接種やノミ取りの処置は受けられないらしい。まずは子猫の健康状態をチェックすべし。下痢をしてないかとか、目ヤニや鼻水は出てないか、耳の中はきれいか、口に炎症はないか、ノミやダニはいないかなどなど。健康そうだったら、家でしばらく様子をみて、病院で健康診断を受ける。うちの猫たちが予防接種をしているなら、接触しても大丈夫だろうとのこと。
さっそくチビをチェックしてみたのだが、これがびっくりするほどキレイな子なのである。毛並みはホワホワで、目はパッチリ、耳垢もゼロ、ノミもダニも気配なし。あんたなぜにこんなにキレイなの? 実は飼い猫だった?
我家の猫たちは予防接種を受けているので、チビを思い切って家に入れてみることにした。とりあえずバスルームに柵を設置して、チビの部屋としよう。
さっそく犬用の柵を買ってきたのだが、これがぜんぜんダメだった。設置した瞬間によじ登られてしまったのである。さすが猫! 柵にネズミ返しを設置してみたのだが、これも簡単に突破。段ボールを貼ってみても突破。しまいには、金網のすき間もくぐりぬけてしまった。子猫の身体能力恐るべし!
先住猫パンとマーチは、最初はシャーシャー言っていた。チビは子供過ぎて、相手が怒っていることさえ分かっていなかった。むしろ興味津々で、パンとマーチに走り寄ったりしている。子猫無敵!
しかし3・4日経つと、チビも自分が怒られていることが分かってきたようで、ちゃんと逃げたり隠れたりするようになってきた。パンとマーチも、相手が無神経に近寄ってこなければ気にならないみたい。まあ、パンマチはもともと大人しいしね(私には超ワガママッ子になってしまったが)。
チビを家に入れて今日で1週間。もう隔離する必要もなさそうで、なんかやっていけそう。よかった!
そんなわけで、迷子の子猫ちゃんは、我家の「チビ」になりました。
No.209
相原光(アイハラヒカル)
フリーランスライター&翻訳
群馬県出身、早稲田大学卒業。2008年結婚してハワイに移住。夫は寿司シェフ。2012年4月双子猫パンとマーチを連れてハワイ島に引越。8月に玄米寿司とムスビの持ち帰り店「DRAGON KITCHEN」を夫婦でヒロにオープン。現在ライター兼寿司屋のお手伝いとして活動中。姉は漫画家の花福こざる。
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