お酒をやめて17日経った。
あっという間に2週間以上経ってしまって、ちょっとびっくり。こんなに簡単にやめられるのなら、もっと早く試してみればよかったな。
なぜにお酒をやめようと思ったかというと、時間がない! これに尽きる。 家に帰ってきてお酒を飲んでしまうと、結局何もできなくなっちゃうんだよね。「ヒカルプロジェクト」がたくさんあるのに、このままだと一生何もできずに終わってしまう。これではアカン。
というわけで、せめて飲む頻度を減らしたかったんだけど、そう簡単に行かなかったんだよね。健康上の問題も特にないから、余計に思いきれなかったのかもしれん。苦肉の策として、ビールをノンアルコールに切り替えただけだった。
ところが、夫が「しばらく酒をやめようかな」と言い出したのである。これには驚いた。なにしろ結婚して12年、夫が酒を飲まなかった日というのは、数えるほどしかない。風邪をひいて寝込んでいたときくらいなもんなんだよね。なぜに突然そんなことを思いついたのかと尋ねると、あまり深い意味はないらしい。ただ、仕事が忙しすぎてしんどいのと、酔っぱらうのに飽きてきたとのこと。飽きるのか、そこ?
それならふたりで禁酒してみるか。というわけで、新しくお酒を買い足すのを止めて、家にあるお酒をすべて消費したらそのまま酒ナシ生活に突入ということになった。買い置きというものは、買い足さないとあっという間になくなるものである。1週間ほどで我が家のアルコールは底をついた。最後の乾杯はシャンパン(スペイン産のカヴァ)。なんと甘美なこの味。名残惜しいけれど、また合う日までサヨウナラ。
しかしそう簡単に別れることはできなかった。夫が寝静まってから、私はひとり二次会に突入し、お神酒(料理用の安い日本酒)を飲み足してしまったのである! さらに、証拠を隠ぺいすべく、お神酒の残りを翌日全部飲んでしまったのであった。しかも、すべて夫にバレておりました。
だがしかし、その後、お酒への欲求がきれいさっぱり消えてしまったのである。私の欲求を何者かがフロシキに包んで持ち去ったかのようである。夫は私以上にまったく気にならない様子で、「禁煙の方がはるかに大変やったな」とのこと。
さてお酒をやめるとどのような効果があるか? 痩せる、体調が良い、節約、ゴミ捨てがラク…など、ハッキリ言ってよいことしかない。睡眠が深くなるとは聞いていたが、私は異常に眠くなってしまい、毎日10時間以上寝ているあり様である。これはメリットなのかデメリットなのか?
この禁酒チャレンジでは、夫婦間で賭けをしている。私が買ったら、夫は私の車を洗車すること。夫が買ったら、私はセーフウェイにブルーベリーマフィンを買いに行くこと。
さあどちらが勝つのか。次回のコラムの頃には結果が出てるかな?
No.232
相原光(アイハラヒカル)
フリーランスライター&翻訳
群馬県出身、早稲田大学卒業。2008年結婚してハワイに移住。夫は寿司シェフ。2012年4月双子猫パンとマーチを連れてハワイ島に引越。8月に玄米寿司とムスビの持ち帰り店「DRAGON KITCHEN」を夫婦でヒロにオープン。現在ライター兼寿司屋のお手伝いとして活動中。姉は漫画家の花福こざる。
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