目的とご褒美
明けましておめでとうございます。新しい一年が始まりましたね。今年もよろしくお願い致します。
年始らしく、目的を持つことの大切さを書いていきたいと思います。人間が健全に生きていく上で、目的を持つことは重要なこと。短期の目的や長期にわたる生き甲斐は、毎日元気に頑張ろうというモチベーションに繋がります。逆に「頑張る理由が見つからない」という人や「生きている意味がわからない」という人は、ダラダラ生活を送ることで健康を損ねてしまったり、更にやる気が起きなくなったり、と悪循環に陥ってしまいがち。
モチベーション不足に苦しんでいるのは大人だけでなく、子どもにも多くみられます。モチベーションの有無は仕事のパフォーマンスに大きな差が出るように、明白な目的を掲げて勉強をする子はやはりいい結果を出しています。それは学校に無関係な内容でも同じこと。やりたいことや楽しみにしていることに早くたどり着きたいという“目的”がある子どもは意欲的に宿題や勉強に取り組み、効率よく終わらせます。逆にやる気がないのに机に向かわされた子は、いやいや作業をするため字が汚かったり、簡単な計算を間違えたりといいことがありません。
モチベーションや報酬と深く関係するドーパミンという脳内物質があります。“ご褒美”を欲しいという気持ちから実際の行動に移す大本の物質といっても過言ではありません。報酬目標に向かって行動をし始めた時点ですでに脳内分泌が始まっています。また、痛みや不安を和らげる作用や集中力や行動力を高める効果もあるため、ご褒美獲得を念頭に行動をしている時はフォーカスの仕方が普段と全く違うのです。
例えばバスケの試合中に指を骨折してしまった選手がいるとします。練習中であれば休むことを選ぶはずですが、選手はプレー続行を希望します。“勝利というご褒美”にフォーカスしている選手の脳内ではドーパミンが大量に分泌されており、痛みをほとんど感じていない状態になっているのです。
このように試合優勝、入試合格、海外旅行など、人は報酬を想像することで、やる気が出て実際の行動へと移ることができるわけですが、報酬が大きければ大きいほどやり甲斐も強く感じるようになっています。
子どもが成長して自ら報酬制度を設ける能力がつくまでは、親が適切なご褒美を考えて与えることで実際の行動へと誘導できます。ポイントは報酬までの距離がそう遠くないこと、そして必ず努力に見合ったご褒美を与えること。この2点に気をつけ目的達成の体験を多くさせ、人生を楽しく前へと進めるように手助けしてあげましょう。
教育スペシャリスト メアリー先生 vol. 11
(日刊サン 2020.1.10)
メアリー
教育現場に24年携わるハワイ在住の教育スペシャリスト。カカアコにて英才キッズアカデミーを運営。人間能力開発研究所の創立者であるドーマン博士に直々教わったテクニックと独自の研究を合わせ、「IQ(頭脳)とEQ(人間性)をバランスよく育てる教育法」を開発。こどもLLCなど、子どもが社会に出るのを楽しみにするようなレッスンが人気。また、ストレスのない受験対策や子育ての細かい指導法は信頼が厚い。
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