4年ぶりに故郷日本に帰省して2ヶ月間。家族の暖かい元で心ゆくまで命の洗濯ができた。懐かしい友人知人と再開し、瀬戸内の海とやま、心地の良い風。瀬戸内で採れる豊かな海鮮たちに舌つづみ。生まれ育った優しいエネルギーにつつまれた心穏やかな最高の時間。故郷はやはり最高だ。
あっという間の2ヶ月が過ぎ、ニューヨーク・マンハッタンに戻ってきた。JFK国際空港到着後、入国まで空いているのかと期待していたが大間違い! 長蛇の列はコロナ前いやそれ以上で手続きが終わり手荷物受取所へ出るだけで数時間を要した。コロナで人が消えガラガラだった空港はもう想像すらできないほど昔の話になっている。
空港からマンハッタンの自宅まで私はいつもイエローキャブを利用する。最近はウーバーやリフト、中には電車を利用する人もいるけれどここはイエローキャブ。イエローキャブに乗りながらニューヨークの、大きく渦巻くような情熱のエネルギーに自分のエネルギーを合わせて行く、そんな時間がいつもお気に入りだ。
ラテン系の運転手さんは、私が後ろに乗っているのをまるで忘れてしまったかのように大声で歌い出す。ラジオから流れてくるラテン音楽が彼をより一層ノリノリにさせる。お客さんが乗っていようとお構いなしで、自分がやりたいように「今」を楽しんでいる運転手さん。日本滞在2ヶ月間、味わっていなかったこの個人プレー(笑)。ああ、ニューヨークに戻ってきたのだと実感させられる瞬間だ。
アパートに着いた頃には、彼のノリノリがうつったのか、14時間のフライトの疲れ時差ボケも通り越して心が軽やかに楽しい気分になっていた。明るく楽しい人は周りをも明るい気持ちにさせてくれる。“楽しい”の伝染。「最高だな」とタクシーを降りながらクスッと笑みがこぼれた。
これからまた始まるマンハッタン生活。
五感から入ってくる刺激がとっても優しく穏やかだった香川県の暮らしとは真逆の、激しく時には目を背けたくなるような現実もたくさんあるけれど、それもまた、ドラマを引き立たせてくれる大事なコントラストだ。
好きな場所で暮らせるということのありがたさを噛み締めて、今日も私はニューヨークの街に挨拶をしながら創作スタジオへ向かう。
一日一生。今、ここに感謝。
私の旅ストーリー
大森 千寿
NY在住。香川県高松市生まれ。アーティスト・作家・アートセラピスト・米国NLP協会認定マスタープラクティショナー・現代レイキマスター。NY・ハワイ・日本の3箇所にアートスタジオを構え活動。著書に、amazon電子書籍「ハワイに不動産を購入して人生10倍楽しむ方法」「ハワイで聞いた! 32通りの生き方(第一弾)」「人生の冒険」がある。NYで新しい扉を開く2日間プログラムやニューヨーカーと行く穴場ツアー、アート最前線ガイドなど開催中。 www.chizuomori.com ameblo.jp/adamwestonart
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