お話のおはなし
家から出たら罰金もしくは禁固刑。そんな命令が下される世界を、ハワイを、誰が予想したでしょうか。ハワイが外出禁止令を出してからというもの、街は静まり返り、あのワイキキでさえ人っ子一人いない状況が続いています。ご存知の通り、レストランはテイクアウトのみの短縮営業で、食べ物関係以外のお店は軒並み閉鎖。目にみえないモノへの恐怖と自由に生活できない息苦しさから、どうもスッキリしない、という方も多いのではないでしょうか。元来超がつくほどのインドア派の私ですらそうなのですから、きっともともとアウトドア派の方はとてもお辛いこととお察しいたします。
リモートワークの傍らで家の中でもできるお家アクティビィといえば、映画鑑賞や料理、読書、ネットサーフィン、裁縫、筋トレ……と、どれもこれも永遠にできるという方は少ないでしょう。これを機に何か新しいことに挑戦したいと思っても、この状況ではそれもままならず。各社が、在宅で暇を持て余している人向けにネットで無料公開しているリソースで学びにチャレンジ、と思ってもその気力と体力はどこへやら。
そこで、個人的にオススメしたいのがオンライン飲み会。SkypeやZoom、LINEなどの無料通話アプリを使って、遠く離れた友達や家族とおしゃべりするのはいかがでしょうか。仕事のミーティングでオンライン通話を使っているという方も多いと思いますが、それで遠隔「飲み会」をするのです。別に飲まなくていいです。ご飯でもおやつでも何でもいいのです。大切な誰かと、楽しい時間を共に過ごす。それが大切なのです。
私もつい先日、お酒とおつまみをたんまりと用意して、パソコンの前に座っていました。画面の向こうにはもう20年来の友人。ロックダウン寸前の東京で、家にこもり、同じくビールを片手にこちらを見ていました。話すのは何とも他愛のない話。仕事の愚痴や、恋愛の話、それから小学校にいた怖かった先生の思い出。少し前なら渋谷の大衆居酒屋の一角で、あるいはワイキキのバーの片隅で、交わされていたであろう、本当になんでもない話。テクノロジーのお陰でこんな未曾有の状況の中でも、これまでと変わらず、彼女の笑顔と、彼女と過ごす時間に救われました。
ありきたりな言葉かもしれませんが、みんなで頑張りましょう。怖いのは、不安なのは、寂しいのは、あなた一人ではありません。きっとみんな同じです。この禍が早く過ぎ去るよう、みんなで乗り切りましょう。手洗い、うがい、外出禁止、それから体調管理と並んで大切なことは、コミュニケーション。たくさん話して、気持ちをシェアして、みんなであと少し、踏ん張りましょう。夜明けは、収束は、そして何でもない毎日が、一刻も早く戻ってくることを信じて。
CAN OF ALOHA No.27
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_channel をご覧ください。