ハワイの教育コラム|イゲット千恵子の子供をビジネス脳にする
Vol. 25 子供に自己投資を教えるには
日本に住む高校生の姪っ子が、「来年は、お金貯めて運転免許をとるんだ〜」というので、「は〜??イマドキ何のために?」と聞きそうになった。でもバイトで貯めたお金を何に使おうが彼女の自由。そこはぐっとこらえて、お金とは、どんな使い方をするかによって、将来入ってくる額が変わってくること、そして人生において継続的に自己投資することを習慣とし、未来の自分のためにお金を使うことを教えた。
日本では、運転免許を取るのに44万円かかるという。将来的に彼女が、パトカー、消防車、救急車を運転する職業に就いたり、または自衛隊や国家公務員などになりたいのならば必要な免許だろう。
アメリカみたいに、タダみたいな安い金額で免許が取れるなら「身分証明書がわりに取っとけば」と言えるが、日本だと身分証明書のために44万円をかけるのは高すぎるし、国土が広くて免許がないと特定の都市部にしか住めないような国に住んでいるのなら必要だが、公共交通機関が発展している日本の都市部に住んでいるのであれば、運転免許は必ずしも必要ではない。
「運転免許以外で44万円を自己投資するなら、何をしたらいいと思うか?」と姪っ子に尋ねると、「アメリカ留学は出来ないし」という。姪っ子の高校は、スーパーグローバルハイスクールに認定されていて、帰国子女も多いので英語の成績が思うように取れないのだ。大学付属なので、英語成績が重要視されない学部しか上がれないと思うと本人は言う。「だったら、英語いらないでしょ。時間の無駄じゃない?」と勧める、英語圏に住む叔母。(笑) 姪っ子の母親(私の妹)は、第二言語に中国語を取っていたのもあり、今は毎月、中国に出張している。そのため中華圏とは馴染みがあり、子どもたちも行く機会が増えるだろうから、これからはもう英語じゃなくて、中国語を選択する方が、姪っ子には活躍できる場所が広がると考えられる。
そこで、「44万円で留学できるところはないの?」と聞くと、「ある!台湾!」と姪っ子は即答し、ヒラメキがトキメキに変わった瞬間を見た。
そうだ、その自己投資の仕方が、将来の彼女の未来を明るくするのだ。自己投資ができない人は、それ以上の成長もないわけで、人生100年時代だからこそ、子どもには自己投資の仕方を教えておきたいものである。
イゲット千恵子
オアフ在住、日米で会社経営&作家 2017年に「経営者を育てるハワイの親 労働者を育てる日本の親」を出版し、日米の教育の違いによるビジネスマンの仕上がりの違いを書いた本が話題となる。日米での事業は、グリーンスパハワイ、通販事業、スクール、教育事業、ハワイ教育移住、執筆、講演、セミナーなど、詳しくは、chiekoegged.com
(日刊サン 2020.1.24)