ウィッチヘーゼル
5月いっぱいは自粛生活のハワイですが、みなさんストレス発散されていますか。少しずつ公共施設もオープンしたりしているので、ソーシャルディスタンスとマスクをしっかり守って、外の空気に触れることはとても大切だと思います。ハワイのみなさんの頑張りによって、感染者数も減って今は落ち着いている状況です。このまま良い方向へずっと向かってくれるように、願うばかりです。
最近になって、スーパーなどでもハンドサニタイザーやアルコールを少しずつ見かけるようになったので、全く手に入らない状況は終わったのかもしれませんね。さて、前回のコラムでは、精油を使ってスプレーなどを作る時に使うアルコールの違いについてお話ししました。その中で触れた「無水エタノール」ですが、残念ながらアメリカではまず手に入りません。
この「無水エタノール」は、精油を使って何かを作る時によく使用します。精油を乳化させるために使うものです。化粧品やボディーローション、シャンプーなどもそうですが、こう言ったのものには「乳化剤」と言われる役割をする成分が入っています。実は、多くの食品にも入っているんですよ。「乳化剤」とは、簡単に言うと、水と油のように混ざり合わないものを混ぜ合わせるための役割をします。天然成分もありますし、化学成分もあります。食品で言ったら、マヨネーズなんかがわかりやすいかもしれません。マヨネーズの主原料、サラダ油、酢、卵。サラダ油と酢は、そのままでは混ざり合いません。卵黄を入れることによって、サラダ油と酢がちょうどよく混ざり合うのです。アロマスプレーで言うと、精油と水は混ざりません。混ざり合わせるためにアルコールを使用するのです。マヨネーズで言う、卵黄の役割ですね。
では、この「無水エタノール」がアメリカでは手に入らないので、どうしたら良いのでしょうか。一つは、今なかなか手に入り難いですが、消毒用のアルコールを使用する方法。もしくは、アルコール度数の割と高めなウォッカを使用する方法などが挙げられます。しかし、アルコールの香りが強く出てしまいます。
色々と調べてみると、Witch Hazel(ウィッチヘーゼル)をアルコールの代用にと出てきます。Witch Hazelとは、アメリカ東部やカナダ原産の植物で、この蒸留水は薬局で消毒用アルコールと並んで販売されていますので、見たことがある人も多いかと思います。殺菌効果や、収斂効果があるのでオイリー肌やニキビ肌用の化粧水としても使われることがあります。
果たして、このウィッチヘーゼルウォーターに「乳化剤」としての役割ができるのでしょうか。実験の結果は、ウィッチヘーゼルウォーターに、精油は解けませんでした。よって、ウィッチヘーゼルには、「乳化剤」としての役割はないと言うことになりますね、残念。
アロマのある生活 No.129
山中麻瑠 Maru Yamanaka
1999年に渡豪、IFA認定アロマセラピストとなる。オーストラリア某有名デイスパ、日本で医療現場、ホテルスパ、等で経験を積み、アロマセラピスト育成講師も務める。2005年ハワイに渡り、2008年より11年間アロマアットホームのオーナーを務める。現在、アロマセラピーを広める活動中。2014年からアロマセラピーワークショップ開催。
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