“日本一音にこだわる映画館”と謳う、東京都立川市にあるシネマシティにて鑑賞してきた。超満員の中、本編終了後もエンドクレジットロールとジョン・ウィリアムズの楽曲が流れ続け、ほとんどすべての観客が余韻に浸り、最後まで席を立つことはなかった。
1977年公開の“エピソード4/新たなる希望”から42年、全9作はすべてアナキン・スカイウォーカー(後のダース・ベイダー)、その子どもルークとレイア、レイアとハン・ソロの子、ベン(後のカイロ・レン)の3世代に渡るスカイウォーカー家と、闇の力で銀河系を支配していた帝国に纏わる物語である。本作では前2作から引き続き、祖父ダース・ベイダーへの憧れからダークサイドに堕ち、かつて壊滅したはずの帝国軍の残党“ファースト・オーダー”の最高指導者となったカイロ・レンと、ある偶然からハン・ソロらと出会いレジスタンスと合流、またルークからフォースを学んだ出自不明の少女レイ、対を成す“闇と光”の2人の戦いの行方――そして、謎めいていたレイのルーツが遂に明らかになる。
ファンの間でも、毎度これほど評価が分かれる作品も珍しいだろう。今回も、○○が生きていたのは反則、敵が弱い、フォースの描かれ方が、と様々な批評があるが、それは多分に熱烈なファンだからこそ思い思いのSWワールドが存在しているから。個人的には、まさか懐かしのあの人達が!というサプライズと、故キャリー・フィッシャー演じるレイアの変わらない凜とした姿、どんでん返しの事実とタイトルに相応しいラスト・シーンに拍手喝采。出来ればそこそこのSWオタクを自称する知人と互いの感想を語り合えるとより楽しめるはず。
遠い昔、遥か銀河の彼方で――という字幕と共に流れるジョン・ウィリアムズ作曲のメインテーマ。また、帝国軍やダース・ベイダーが登場する際の“帝国のマーチ”、エンディングで流れる“王座の間/エンド・タイトル”。一連のサーガは終わっても、これらの楽曲はスター・ウォーズの壮大な世界観を彩り続けるだろう。
●加西 来夏 (かさい らいか)
映画は年間100本以上視聴、訪問国は39ヵ国〜の旅する映画ラヴァー/SW新3部作の公開が発表されました。今度は一体誰のどんな物語になるのか、どこまで継承されていくのか…全く想像もつきませんが、楽しみであるのは確かです。
(日刊サン 2020.1.16)