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学校再開。ママは? 子どもたちは? オンライン授業はじまる
学校再開。ママは? 子どもたちは? オンライン授業はじまる
3月からの学校休校を経て、ハワイ州教育省は2020-2021年、新年度の授業を再開。公立校の多くは、8月17日から数日を今後のオンライン授業の方法や説明に時間を費やした。この間、一斉にインターネット接続をしたことから「一時つながりにくい」などの声もあったようだが、とくに大きな問題もなく始まったようである。 さて、2週目。実際に授業がスタートした子どもたち、それを見守るママの心境を、ホノルル市内に住むママ、千晶さんに伺った。
お子さんはナヒクくん(15歳)。ミドルスクールを卒業し、現在、ハイスクールのフレッシュマン(9年生)だ。彼はプロを目指すコンペティター・サーファーでHSA(ハワイ・サーフィン・アソシエーション)のメンバー。幼少時からハワイのキッズ・サーフィン大会に参加し何度も入賞を果たしている。現在、ハワイ大学そばにあるサーフショップSurf Garageのオフィシャルライダーのほか、アパレルブランドのHILIFE、サンスクリーンのリトルハンズによるスポンサードを受けている。
「学校は月曜から金曜までの毎朝、8時10分までにオンラインでチェックイン。曜日によって変わりますけれど、だいたい午後の2時過ぎまでパソコンに向かいます。小学校中学校と違い、高校に上がるとホームルームはなくなり、自分が選択した授業に自分でアクセスするというスタイルです。選択したサブジェクトの先生によって、授業スタイルは異なるようですが、まだ実際にはスタートしたばかり。時間に先生が来ないことや、先生自身もまだツールに慣れていないなど、試行錯誤している状況のようです。
彼の勉強については、もう15歳ともなると親がどうこう言うという年齢ではありません。見ていると自分で毎日のカリキュラムを把握していますし、学校から指定されたアプリケーションGoogle Classroomにアクセスしています。課題が出されてそれを時間内に自習したり、毎日もしくは指定の曜日までに提出する、という方法もあります。
ハイスクールのオンライン授業は、画面上に名前は表示されても、顔を出さない子どももいたりして面白いですね。母親が子どもといっしょに映っていたり、親子喧嘩を始める、なんていうこともあるようですよ(笑)」
千晶さんは自身が日本では私立校、インターナショナルスクールに通い、オーストラリアに留学。その後ハワイの高校を卒業しているそう。高校ともなるとソーシャルを学ぶ場所、という考えがあるのだが、そこでいうと、現在のオンラインによる学校では、そこが失われてしまうために、残念だという。ナヒクくんは、小さなころから海が公園だった。
「海に行けば誰か友だちに会うことができました。海を通じてハワイのアンクルたちへのリスペクトや友だちとのコミュニケーションを学んできました。いま、学校へは行くことができませんが、海に行くことで、母親である私の気持ちも穏やかになるので、それは救われていますね。
大会に参加する子どもたちの多くが学校へは通わずホームスクールを選んでいます。全米や世界の大会に参戦するためには、学校のスケジュールに縛られないことも必要です。私は、息子にはちゃんと高校だけは卒業してもらいたい、と小さいころから話してきました。勉強だけではありませんが、勉強も大切です。プロサーファーになってもそれだけで生計を立てたりできる子どもはほんのひと握りですから。
本来住んでいる学区は別の高校でした。でもミドルスクールからの子どもたちと同じ学校に通うより、別の学区に通って、これから自分で切り開く人生においての重要となる社会性や、パーソナリティを磨くほうがいいと、いまの高校を選びました。
サーフィンにおいてもテクニックを身に着けるだけではなくて、スポンサーを受けるとしたらセンスやルックスも大切だとは思います。また、彼自身がアパレルブランドを立ち上げ、サーファーたちをスポンサードしたい、という夢も持っているので、とにかくいまは自分を育てる時期だと思って守っています。
いまの時期のハワイ。サウスは波がいいんですよ。だから、彼は朝からソワソワしながらパソコンに向かっていますし、いまもボードにワックスを塗っています。授業が終わったようなので、これから海へ送ってきます」
(取材・文 鶴丸貴敏)
(日刊サン 2020.9.4)