ハワイから電気自動車普及へのメッセージを世界に発信したい
-ハワイで電気自動車の普及活動を始められたのは何故ですか。
世界中の人が憧れるハワイで、電気自動車の普及活動を行おうとしています。クリーンエネルギーや電気自動車に関連した様々な技術を持った企業や人々が、ハワイにそれを持ち寄って、ピジネスマッチングのようなことができればいいし、デザインコンテストなども行い、隠されたオ能を発掘することも考えています。
ハワイの自然の美しさを利用したモータースポ一ツイベントも一つの可能性です。ハワイはアジア太平洋の中心にありますし、クリーンエネルギー政策にも熱心です。ここから世界に向け て、電気自動車の普及を一気に加速するようなプロジェクトをしたいと思っています。
最も重要なのは、子 ども達や一般の人々に、クリーンエネルギーに対す る意識を高めてい ただき、電気自動車への理解を深め ることです。今年の9月9日からll日まで、ハワイコンベンションセンター でアジアパシフィック・クリーンエネルギー・サミット&エキスポが開催されますが、まず手始めとして、そこで福武さんと一緒に発表を行うほか、バイクスピークで優勝したE-RUNNERも会場に展示します。
電気自動車と言うと、どうしてもあまりスピードが出ないとか、走行距離が短いなどのイメージが強いのですが、実際には、ガソリン車を上回るスピードが出るし、一回の充電での走行距離も、十分日常の使用に耐えられるものとなって来ています。このように、新しいイメージづくりも、電気自動車の普及には欠かせないのです。そのためにできることには、僕は全力で取り組みたいと思います。
田嶋伸博(たじまのぶひろ)
1950年石川県小松市生まれ。国士舘大学で機械工学科卒業。高校時代からモータースポーツを始め、大学在学中の68年にレースドライバーとしてデビュー。世界各国のラリーで活躍し、アジアパシフィックラリ ー選手権(APRC)で5回優勝。2006年から6年運続でバイクスピーク・インターナ ショナル・ヒルクライム優勝。2012年からは電気自動車E-Runnerでバイクスピークに挑戦、今年は電気自動車部門でガソリン車での自らの記録を破って優勝した。
実業家としてもキャリアを重ね、大手自動車メーカーのト ップセールスマンを経て、モンスター・インターナショナル(現タジマモーターコーポレーション)を設立。その後、スズキとの業務提携でスズキスポーツを設立し、スズキのモータースポーツ開発の立役者となる。
2009年にスズキがモータースポーツから撤退したのを機に、スズキスポーツを完全に自己資本下に(現IRD. Co. Ltd. )。2010年、ベネッセホールデイングスの福武總一郎氏とともに電気自動室普及協議会を設立し、代表幹事として電気自動車の普及、各稲電気自動車の開発・設計を手がける。2013年からは電気自動車開発会社「SIM-Drive」社長も兼務。
(日刊サン 2013.08.24)