真珠湾攻撃戦没者の追悼式典開催
12月8日、真珠湾ヒッカム統合基地内フォード島バニヤン・ツリー下において、在ホノルル日本国領事館と米ハワイ方面海軍は共催で真珠湾攻撃戦没者追悼式典を開催した。当式典は、2016年から毎年、12月7日の真珠湾攻撃があった日の前後に、真珠湾で亡くなった日米双方の戦没者を追悼することを目的に実施している。本年は新型コロナウイルス感染防止のための人数制限により、規模を大幅に縮小して実施。
式典には、米ハワイ方面海軍司令官のロバート・チャドウィック少将と、青木豊総領事が出席し、真珠湾で亡くなった日米双方の戦没者に向けて黙祷を捧げた。その後、米国国歌及び日本国歌が演奏され、チャドウィック司令官と青木総領事双方が開会の挨拶。青木総領事からは、今回基調講演を行った菅野寛也医師が行っている「黒焦げの水筒式典」は、静岡空襲で亡くなった米軍爆撃機の搭乗員を丁重に葬ったことを契機として始まったものであることを述べ、カネオヘ基地を攻撃した帝国海軍のパイロット飯田房太中佐や神風攻撃隊として戦艦ミズーリに突入したパイロットも米側により丁重に葬られたことに触れつつ、戦争中であるにもかかわらず、敵味方分け隔てなく死者を弔ってきた方々の寛容の精神が和解につながっていること、真珠湾が和解の象徴として記憶されることを祈りたい旨を述べた。
続いて、基調講演として菅野寛也医師からビデオメッセージを公開。菅野医師は、静岡空襲時に墜落したB-29爆撃機の搭乗員の遺品である黒焦げの水筒からバーボン・ウイスキーを献酒する慰霊祭を行っていた伊藤福松氏の遺志を引き継ぎ、静岡にて「黒焦げの水筒式典」を主催しており、真珠湾攻撃記念日に合わせて戦艦アリゾナ記念館でも「黒焦げの水筒式典」を実施している旨に触れつつ、これまで日米の友好と和解のために尽くした方々への感謝を述べた。また、菅野医師からは、日本時間の12月8日に静岡市の浅間神社において執り行った慰霊祭の様子が動画で提供された。
最後に、青木総領事とチャドウィック司令官が、戦没者に対する献花を行った。
(日刊サン 2020.12.09)
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