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主婦ソサエティー・オブ・ハワイ、設立56周年祝賀会 2年ぶりに会員が集い、新たな連帯とハワイへの文化貢献を宣言

 NPO主婦ソサエティー・オブ・ハワイ、設立56周年の祝賀会および年度総会が3月20日に開催された。ロイヤル・ハワイアンホテルのボールルームには260余人の会員やゲストが集まり、コロナ禍で2年ぶりとなった再会を喜び、メンバー同士の連帯とハワイへのさらなる文化貢献を宣言した。

 会場のステージ脇やテーブルには、感謝を表す真紅のバラのアレンジメントが華やかに飾られていた。テーブルセッティングには、桜の小枝が水引で結ばれたお箸。どれも主婦ソサエティの会員が手作りで用意したという。また戦火にあるウクライナの平和を祈り、ブルーとイエローのウクライナカラーで彩られた募金ボックスも置かれた。

 祝賀会のオープニングは、日本舞踊家の花柳三津十郎さんによる「老松」。常緑の松のめでたさを主題とした長唄の祝儀曲で、寿ぎの席にふさわしい品格。ハワイ生まれの踊り手、花柳三津十郎さん(江田ブライソン輝夫さん)は、2014年に外国人としては2番目の花柳流の最高師範位となり、現在は「花柳ダンシングアカデミーハワイファウンデーション」の校長を務めている。

 ハワイと日本の架け橋としての舞踊の後は、ハワイ・ユース・シンフォニーの楽団員による演奏。ピアニストのJairus Rhoades君はプナホウスクール、チェリストのJoey Maeshiro君はイオラニスクール、バイオリストのAngelina Pabloさんはルーズベルトに在籍する高校生。モーツアルトやメンデルスゾーンの名曲が演奏され、スタンディングオベーションの喝采を浴びた。ハワイ・ユース・シンフォニーは小中高生の交響楽団であるとともに、経済的な理由で音楽を学ぶ機会を失わないための財政支援を行うNPOでもあり、コロナ禍以前は日本のジュニアオーケストラとも活発な交流を重ねていた。

NPO主婦ソサエティー、コロナ禍でも活動を絶やさず
ワイキキで3本の植樹など環境保護

 主婦ソサエティーの正式名は「主婦の友ハワイ友の会」だ。設立は1966年、日本の出版社である「主婦の友社」と「石川文化事業財団海外事業部」の海外文化事業の一環として発足した。目的は、ハワイの人々に日本文化を紹介し、その交流を通じ相互理解を深めること。日本から遠藤周作、平岩弓枝、渡辺淳一、瀬戸内寂聴などの著名作家をハワイに招いて講演会をしたり、日本料理教室、手芸教室、演奏会など多彩な催しを企画し、日本のハワイの交流を深めた。

  1986年にNPO としてハワイ州政府に登録。1996年に第13回日本文化団体賞を在ホノルル日本国領事館で拝受。1999年にはホノルル市より表彰状を授与。2000年に石川文化事業財団海外事業部の閉鎖に伴い、会の名称を「主婦ソサエティー・オブ’ハワイ」のトレードネームを州政府へ登録。

 2000年代に入ってからは、愛媛丸の事故の遺族に付き添い、献花や送迎、食事などをサポート。愛媛丸記念碑の清掃ボランティアも続けた。また、2011年の東日本大震災後にはいち早く会員からの寄付を募り、翌年には被災者の子ども達17名を日本から招待。「ハワイ教育会」や「日本文化センター」、「ハワイ大学日本研究センター」への寄付もはじめ、現在も続いている。今祝賀会でも「ハワイ大学日本研究センター」に$1,000が寄付された。

 昨年は設立55周年を記念し、ホノルル市の環境保護のために「Tree Planting Project」をスタート。ワイキキにゴールドツリーを3本植樹した。在ホノルル日本国総領事夫人で、主婦ソサエティの名誉会長を務める青木高子さんもスコップ持って若木を植えた。植樹は毎年続ける予定だという。

 また文化や教育のクラスと愛好会も開始。生花、茶道、書道などの日本文化や、コンピュータ、英語などの学び、紅茶教室や陶芸、ウクレレ、シニア体操などのリラクゼーションの会など、講師を招いて少人数で開催している。

 主婦ソサエティへの入会は国籍、性別、年齢、主婦の有無を問わずどなたも参加できるので、下記に問い合わせを。

P.O.BOX23119,HONOLULU HAWAII  96823-3119  (年会費$30)

右から3人目が有川新会長、その隣がイゲ州知事夫人

在ホノルル日本国総領事ご夫妻、イゲ州知事夫人Mrs.Dawn Igeも祝辞

 総会では新人事の発表や会計報告に加え、90歳を超えた3人のご婦人への長寿のお祝いや、新会員の紹介も行われ、壇上での記念撮影に賑やいた。またサプライズで新会長の有川啓子さんもお祝いと感謝状が贈られた。

 来賓として招かれたイゲハワイ州知事夫人のDawn Igeさんは日本文化をリスペクトし、主婦ソサエティの温かな活動を支援するとメッセージ。Dawnさんは昼食後に行われたファッションショーでも着物をアレンジしたドレスを着こなしモデルさんとして舞台に登場。会員達と笑顔で記念撮影を楽しんでいた。

来賓には在ホノルル日本国総領事青木豊氏と高子夫人も

在ホノルル日本国総領事の青木豊氏と高子夫人も来賓として出席、祝辞を寄せた。

 有川啓子新会長は国際的な経験を活かし、ニューヨークで初めてとなる塾を主宰していた。日本から来た駐在員の子ども達が現地校や英語のコミュニティに馴染むための塾で、日本への帰国もサポート。交換留学などのアレンジもしてきた。リタイア後、家族でハワイに移住。主婦ソサエティ前会長のアン小林さんとの出会いから、本会に関わることになった。

ウクライナへの募金も
イゲ州知事夫人、モデルさんのよう!

あいさつの中で有川さんは、

「現在はインターネットで瞬時に情報が分かる時代です。ただ、教育、文化、伝統は瞬時ではなく、学び、体験して身に付いていくものです。教育の大切さ、皆で文化を守り、次世代に残していく活動がいかに大切か痛感します。時代に沿った事柄を皆で学べる機会を大切に、一人ではできないことを皆で力を合わせて実現することもNPOの大きなメリットだと思っています。社会と経済の変動が続く中、会員の年齢、考え方も変わり、活動の形も少しずつ変化を遂げざるを得ません。それでも会の主旨と目的を踏まえ、時代に沿った、どの世代にも喜ばれる楽しい有意義なプログラムを計画したいと願っています」

 日系のナーシングホームへの慰問や日本食の提供なども積極的に続けていきたいと話した。

(取材・文 奧山夏実)

会員やゲストなど260余人が参加。オペラ歌手Blythe I. Kelseyさんが歌唱
シン・タカハシ氏や浅井力也氏の絵画も展示

(日刊サン 2022.3.30)

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