ハワイで20年以上の信頼と実績がある人材紹介会社大手、アライアンスパーソネル代表のジュン・フェルナンデスさんに、最新の求人状況について聞きました。
日本人の求人市場は2023年から活発化
日本人のお客様を受け入れるツアー会社、ホスピタリティ系の企業様は全面的にコロナパンデミックにより大きな打撃を数年にわたり受けていましたが、日本人の観光客数も2023年から増え始め、コロナ前の数字には戻っていないものの2024年もそれが続いています。
日英バイリンガル求人数もそれに伴い増えてきました。具体的には、旅行業界、ウェディング業界、不動産やタイムシェア業界などが目に見えて増えています。日本語・英語を使うバイリンガルの求人例としては、カスタマーサービス、オフィス、経理や総務、リテール業界のセールスやマネージメント、旅行会社やウェディング会社のカスタマーサービスや手配業務、不動産会社からはプロパティマネージメントや清掃員、コンドミニアムの受付やコンシェルジェなど、そしてレストラン業界は相変わらず人手不足です。
給与額は市場全体で上昇
昨年から多くの企業で給与額見直し、UPをしており、さらに2024年1月1日からはハワイの最低賃金額が時給$14に上がりました。ハワイ州の発表によると、今後もさらにハワイの最低賃金額は徐々に上がる予定が組まれており、2028年1月1日には最低時給額は$18になります。企業にとっては社員の給与額を一斉に上げることは決して簡単なことではありませんが、時代に合わせて変わっていくことも大切で、その変革を遂げている企業はリクルート成功率が高い傾向があります。
英語力・PCスキルとスケジュールの柔軟性がカギ
企業から求められる人物像としては、経験とスキルを求める傾向がより強くなり、英語力とPCスキルはコロナ前よりもより高めの傾向があります。企業としても給与UPをしているのでそれに見合った人材を確保したいということと、まだコロナ前のように日本人観光関連のビジネスが全面回復していないこともあるので、スキルの高いスタッフを少人数でそろえ効率よく、というのが会社の本音です。
効率よく、という点では、スケジュール面にも言えます。以前よりも少ない人数で営業をするためには柔軟なシフトに対応できる方が有利です。そのためお仕事を探している方は、あまりピンポイントで働きたい曜日や時間を自分から指定するのではなく、できる限り柔軟にシフトに対応できるよう工夫をされることをお勧めします。
企業側はスピードが大事
昨年は日英バイリンガル求人市場が活発化してたくさんの方々が就職され、ハワイ全体の失業率も2021年末からはコロナ前の数字に戻りそれをキープしています。そのため、現在は人材があふれている状況ではありませんので、企業にとっては、良い人材を確保することが決して簡単ではなくなってきています。
企業にとっての大事なポイントは、スピードです。求職者からの応募があった場合は、できる限り早く連絡を試みてください。あまり迷っている時間はありません。その間に他社で面接が進み、採用となり、少し時間をおいてから連絡をした時には既に他社で就職が決まっているということが多く見受けられ、良い人材を逃すことになります。それにより採用にかかる時間も長期化することになります。
今後の見通し
日本人の求人市場については昨年から本格的に動き始めたばかりで、日本からの旅行者数もまだ戻っていないことから、それが今後増えれば、当然バイリンガル人材がもっと必要になりますので、明るい見通しではあります。しかしながら、ハワイは物価高ということと、ドル円の為替の状況により今後の見通しも大きく変わる可能性があり、旅行者数が急に増えるということも今は考えにくいかもしれません。
ただし、常に人材を必要としている企業はありますので、自分磨き、スキル磨きを怠らず、タイミングを見極めることが大事です。
弊社にはいろいろな状況の方々がご相談に来られます。ハワイに来たばかりでアメリカではじめての就職をするという方から、現在就業中でありながらも転職希望の方、または働き方を変えていきたいという方もいらっしゃいます。履歴書がない方には、面談をしながら作成のお手伝いをいたします。
(日刊サン 2024.3.15)
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