【ハワイニュース】精神疾患患者を収容するハワイ州立病院 建築完成後1年以上経ってオープン
精神疾患の犯罪者の治療を行うハワイ州立病院(ハワイ・ステート・ホスピタル)は144人を収容することができる施設として建設されたが、それから1年以上誰も利用しないまま放置されるという状態が続いていた。
4月4日(月曜日)の発表によると、これから2週間以内に患者を迎え入れることになったとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
1年以上の遅れは、主に運営方針と手順が確立していなかったこと、職員の確保が困難だったこと、シャワールームやドアノブ、留め金に不具合が見つかったことが原因だという。
ここまで対応が遅れた理由について、州上院議会と下院議会の衛生委員会、福祉サービスおよびホームレス委員会で説明が行われたが、議員たちは納得ができなかった模様。
シャロン・モリワキ上院議員は「なぜこんなに長期間必要だったのか理解できません。でも、やっとオープンできるということは良かったと思います」と述べている。
カネオヘに建設された新しい施設は、1億6,000万ドルの費用をかけて2021年初旬に完成しており、州の建築許可とホノルル消防署による承認を経て、同年2月には収容許可も下りていた。
しかし、州衛生局が新しい施設を運営するための方針と手順を作成するのに数カ月かかり、職員を代表する組合側との交渉にも時間がかかったという。
そして、新しい職員の応募は5月にまでずれ込んだ。
州衛生局では、このような作業はもっと早く始めるべきだったと述べている。
副局長のマリアン・ツジ氏は「このように長期間かかってしまったことについて、当局が責任を取るべきだと考えております。運営計画や運営方針、手順のようないくつかの事柄については、建物が建設されているうちに作業を開始すべきでしたが、私たちはそれを行わなかったことは事実です」と述べながらも、新型コロナウィルス感染抑制対策で、職員が日々の業務に追われて人手が足りなかったともしている。
衛生局が運営に対する手順を作成している間に、別の問題も見つかった。
全ての工事が終了していたにもかかわらず、いくつかの部分が基準に達していなかったのだ。
80あるシャワールームのうち3、4箇所の排水が間違った方向に設置されており、50箇所のシャワールームは、排水のための勾配が十分でなく、このままの状態では水が外に溢れ出す恐れがあることがわかったため、建設会社にこれらの不備を修理するように指示が出された。
また、患者が首吊りをしないようなドアノブや留め金へ変更しなければならないことも判明した。
この施設には、犯罪を犯した後に裁判所から収容を命令された、顕著な精神疾患の患者や、裁判に耐えうるかどうかの精神鑑定を受ける人々が収容されることになっている。
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写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2022.4.5)