ハワイ州ではほとんど毎日誰かが自殺している。
専門家によると、新型コロナウィルス感染拡大で学校閉鎖など大きな環境の変化のために子供たちは非常に重い精神的打撃を受け、中学生の4人に1人は自殺を考えたことがあるという。
スターさん家族が、娘の自殺で受けた衝撃をKHONのインタビューで語っている。
当時12歳だったシエナさんはごく普通の少女で、アートと体操、絵を描くのが好きで、エネルギーに満ちた活発な少女だったが、2019年7月1日に自殺し、そのことで家族は大きな衝撃を受けた。
父親のチャドさんは「シエナの弟妹に姉が亡くなったことを告げるのが本当に辛かったです。今までの人生で一番辛い出来事でした。姉が死んだこと、そしてそれを受け入れるように伝えたのです」と涙ながらに語った。
「あれから3年になりますが、数千回も頭の中でその時のことが蘇ります。私たちは娘のことを何も見ていなかったのか、もしそうだとしたら、そのことが恐ろしくなります」
チャドさんは、青少年の自殺について啓蒙活動を始め、他の家族を支援しようとしている。
最近、オアフ島一周131マイルを歩き、シエナ・スター財団を設立した。
「自分の痛みと苦しみを他の親たちに味わせたくありません。青少年の自殺を防ぐために、私はできることをやっていきたいのです」
このような経験をしたのはスターさん家族だけではない。
州衛生局の統計によると、2016年から2020年の15歳未満の死亡事故の第4位が自殺だ。
メンタルヘルス・アメリカのハワイ支部でトレーニング・プログラム・マネージャーを務めるアマンダ・マルチネス氏によると、パンデミックは子供たちの精神衛生に大きな打撃を与えたという。
「パンデミックが始まった当初、子供たちは春休みでした。それ以来学校に戻ることがなかったのです。本当に突然の出来事でした。突然学校に行けなくなって毎日の過ごし方が変わり、友達やクラスメート、親族とも会えなくなったのです。これからどうなるのかという不安と闘い、遠隔授業に対応し、安全対策を行うというプレッシャーは、子供たちに肉体的、精神的、感情的に大きな影響を及ぼし、不安や鬱、薬物使用が子供たちの間に広がりました」
マルチネス氏はこのような状況の早期発見のサインを次のように述べている。
学校で問題を起こすようになった、友達と会わないようになった、今まで楽しんでいたことを突然やめたなどの突然の感情の変化や揺れ、いつもと違う行動、睡眠パターンの変化などだ。
また、ソーシャルメディアの投稿や日記、宿題、日常会話などでも「死」について言及があったときには、緊急の対応が必要だという。
「そのような場合にはメンタルヘルスの専門家へできるだけすぐに相談するのが良いのですが、もし子供が心を開かなくても、無理に従わせようとしないでください。でも諦めてもいけません。1人ではないことを伝え、我慢強く信頼関係を築くことが大切です。常に感情的な面でのサポートをして、頻繁に様子を確認することです」
チャドさんは「私たちは『誰も自分のことを気にかけてくれない』とか『人間はみんな一人ぼっちだ』と思うことがあります。だから、毎日『あなたのことを大切に思っている』『あなたを愛している』と伝えることが重要なのです」と述べている。
自殺に関するホットラインは次のとおり:
- Hawaii CARES 緊急連絡: 808-832-3100
- National Suicide Prevention Lifeline(全国自殺防止センター緊急連絡): 800-273-8255
- Crisis Text Line(携帯電話からの緊急テキスト): 741-741
- Mental Health America of Hawaii(アメリカメンタルヘルス・ハワイ)
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写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2022.3.18)