先日、何を血迷ったのかバブルランというイベントに参加してきました。あの出不精で運動嫌いでインドアの極みのような私が、です。我ながら自分が心配になります。バブルランとは、書いて字のごとく、ランニングイベントなのですが、そのルートの要所要所に泡の出る装置があり、そこをくぐっていくというもの。コロナ前、日本でも少し流行ったのを覚えている方も多いかもしれません。本格的にタイムを競うようなマラソンというわけではなく、子どもやベビーカーもOKだし歩いてゴールも大歓迎というゆるいイベントです。
私が参加したのは5キロ。たかが5キロ、されど5キロ。自信なんてものは全くなかったのですが、どうせランイベントに参加するのならばと、ずっと走るのは無理だけれど、せめて完歩しよう、足を一度も止めずにゴールしようと心に誓いました。前日にランナーズパケットをピックアップ。Tシャツや番号のついたビブ、イベントロゴのテンポラリータトゥを受け取ると、いよいよだなとちょっぴり怖くさえ感じました。 そして当日、場所はノースショアを超えてまだ向こうということで、夜も明けないうちから家を出ました。会場につく頃にはさわやかな朝日が降り注いでいて、大勢のランナーが泡まみれになるのを今か今かと待っていました。もちろん私もその一人。スタート地点にあるゲートからはまさに泡風呂のように泡が湧き出ていて、そこをくぐって5キロがスタートするのです。
途中は1キロごとに泡の出るゲートがあり、ちょうど疲れたな、ちょっと休憩したいなと思う私の背中を押してくれました。泡、といっても本当に何の変哲もない泡なのですが、快晴の空の下で泡と汗にまみれながら走るというのはよい経験となりました。
さて、驚くべきことに、私は5キロを50分ちょっとで完走……ではなく、完歩することができました。ちょっと走ってはその倍は歩き、の繰り返しではありましたが、目標通り一度も足を止めることなくゴールをくぐることができました。
体はへとへとだし、足元は泡と土でじっとりと汚れてしまっていましたが、その爽快感と達成感といったら! こればかりは私のつたない文章力では表現できません。少しだけではありますが、マラソンにハマってしまう人の気持ちがわかった気がしました。というわけで、秋のバブルランにもさっそくエントリー。次こそは「完走」を目指したいと思います。
CAN OF ALOHA No.74
金平 薫 (Kaoru Kanehira)
香川県出身、現在はハワイ某所にて武者修行中。 日々のあれこれを、ゆるりとお伝えできたら幸いです。美味しいものには目がありません。 なんでもない毎日は Instagram:kaoru_days をご覧ください。