今週末でオアフ島におけるコロナ関連の規制「セーフ・アクセス・オアフ」は撤廃され、レストランやバー、スポーツジムなど一部の施設を利用するためにワクチン接種証明もしくは陰性証明を提示する必要はなくなる。
そして昨日にはイゲ知事が「セーフ・トラベル・ハワイ」プログラムを3月25日で終了することを発表した。
これらの規制がなくなることで、ハワイ経済の回復が早まるのではないかという予想をハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
オミクロン株が猛威を奮っていたころ、ハワイ大学経済研究所(University of Hawaii Economic Research Organization : UHERO)はハワイ経済の予想を基本、悲観的、楽観的の3つに分けて発表したが、UHEROのエグゼクティブ・ディレクターのカール・ボンハム氏は、今回の規制撤廃によって予想は楽観的なものとなると述べている。
「一般の人々はすでに変わり始めています。規制撤廃・緩和はそれを後押しするでしょう。ほとんどすべてのことが楽になり、ビジネスにとっても良い方へ動いていくでしょう」
今回「セーフ・アクセス・オアフ」が撤廃されることは、レストラン業界にとって大きな追い風となる。
ハワイ・レストラン協会の会長であるライアン・タナカ氏によると、一部のレストランでは任意でワクチン接種証明もしくは陰性証明の提示を求めるかもしれないが、ほとんどのレストランでは提示を求めることはなくなるだろうとしている。
「提示を求めるかどうかの決定はそれぞれのレストラン経営者の判断となりますが、大半の店ではルールは完全になくなるでしょう。入店時に証明をチェックすることは、店のスタッフにとって本当に大変な作業でした」
最新の報告では、ハワイ州では今年の経済成長を3.2%アップと予想しており、観光客が州内で使う金額は170億ドル(およそ2兆円)に達するとみている。
この数字は、パンデミック前の2019年の金額の94%にあたる。
日本政府は、ワクチン接種を完了・追加接種を完了した人々に対する隔離ガイドラインを最近緩和したばかりで、このことも市場の回復の大きな要因となるだろうと予想されている。
ボンハム氏は「海外からの観光客に対する旅行規制は一部残っているため、完全に楽観的な状況とはいえませんが、これからもっと緩和されていくだろうと思います」と述べている。
しかし一方で別の問題が懸念されるという。
サプライ・チェーン危機と、インフレ、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機だ。
3月1日には原油価格は1バレルあたり100ドルを超えた。
「原油がスムーズに供給されない状態になると、それが元の状態に戻るまでに非常に長い期間がかかります。今回のロシアによるウクライナ侵攻前にすでに原油供給に負担がかかっていましたが、それがさらに悪化することになるでしょう」
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写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2022.3.2)