1778年にイギリスの海洋探検家ジェームズ・クックによってハワイ諸島が発見されてから、ハワイには交易を求める人々や植民地主義の欧州の国々、アメリカ合衆国からの来航が増え、その後1895年にハワイ王国は滅亡した。
その頃、ハワイから欧州へ持ち出されたハワイ先住民の遺骨58体がハワイに返還されることになったとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
ハワイ州ハワイ先住民問題事務局(OHA : The Office of Hawaiian Affairs)では、ドイツとオーストリアの博物館や学術研究機関で保管されていたハワイ先住民の遺骨を返還するように求めて、数年にわたり交渉してきたという。
これらの遺骨はカウアイ島、モロカイ島、ハワイ島から植民地主義の国々によっても持ち出されたものであり、OHAでは「家族の承認も得ずに研究という名のもとに行われた恐ろしい非人道的な行為」と糾弾している。
ハワイ先住民の人々は、今回、先祖の遺骨が母なる大地に戻されることは癒しと尊厳の回復となり、やっと安らかに眠ることができるとしている。
8日にドイツのユーバーゼー博物館で行われた返還式では、OHAの代表者が8体の頭骸骨を受け取った。
OHAのカレフア・カセレス氏は「遺骨が母なる大地と家族のもとへ返還されるためには、多くの人々からの支援が必要でした。ドイツ政府、ブレーメン州、アメリカ総領事館、ウーバーゼー博物館のスタッフと協力して、今回の遺骨返還を実現することができました」と述べている。
OHAの代表団は、これからドイツ国内の別の機関をまわり、さらにオーストリアのウィーンで遺骨を受け取ることになっている。
OHAによると来週火曜日までに58体の遺骨がハワイへ到着するという。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.2.9)