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今どきニッポン・ウォッチング

【今どき ニッポン・ウォッチング】日本語の「バリアフリー」化を !

 ある統計によると、現在東京に住んでいる外国人労働者の約50人に一人は、日本語を母国語としない住民であると言われている。周知のように、日本は世界一の少子高齢化先進国ではあるが、正式な移民制度を展開している国ではない。日本独自の制度に基づき、諸外国の労働者を受け入れているため玉石混交であり、必ずしも日本語能力が十分でない外国人労働者も入国させている。まず、このことは止む得ないことと理解すべきであろう。

 

 日本の法務省の統計によれば、目下、日本には約280万人以上の外国人が住んでいるが、その数は中国人、ベトナム人と韓国人を始め、英語を母語としない国々の人が多数を占めている。そのため、行政の窓口やホームページなどが、英語の表記だけが充実しているということで、事足りることにはならない。自治体の予算や人手の現状では、居住者の母国の言語でサービスを提供しようとしても、おのずと限界がある。

 そこで、日本語をよりやさしく理解できるように、「改革」に力点を置くべきとの方針が「得策」であると主張する日本人言語研究者が若干いる。

 確かに、日本語は外国人にとってマスターするには、難しい言語であると言われる。この言語の問題をどうしても早急に改革しなければならないとすれば、日本語自体を「よりやさしく直す」のが最善の道であると言えるのではないだろうか。

 

 まず、日本語の漢字にふりがなをふるだけでなく、主語を明記することである。さらに、一文一文を短くするだけでなく、簡潔な言い回しにする、といった工夫も加えるべきである。つまり、日本語の「バリアフリー」化である。そうすれば、新たに誕生したこの「やさしい日本語」は、日本語を母語としない人々に開かれた言語の新たな可能性として、注目されることになるであろう。

 日本にいる多くの外国人労働者は、日本語に不自由があるが故に、事故や災害に遭った時、体調を崩した時や、コロナ禍のような疫病が流行っている時に、各種の不便を被ることが多いようである。

 日本はこれからも多くの外国人労働者の協力があってこそ、経済大国の一員として世界の経済発展に寄与する役割を発揮できるのである。そこで、「やさしい日本語」への改革は、我が国の言語研究者にとっては、これからの重要な課題になると言えよう。

 

 「人生百年」と言われる新しい時代において、高齢者数がさらに増え、人体が衰えてゆくのは、自然の成り行きである。高齢化による人体の障害が増えるにつれ、医学上の慣れない専門用語に接する機会も多くなる。高齢の日本人同士であろうと、コミュニケーションの会話が、時には聞き取りにくいことは、よくあることと耳にする。

 「やさしい日本語」改革 はこのような状況にも「バリアフリー」の効果を発揮するものと期待される。

今どき ニッポン・ウォッチング Vol.224

早氏 芳琴

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