1月9日（日曜日）ホノルル港におよそ2年ぶりとなる大型クルーズ客船が入港した。

ロサンジェルスから出航したザ・グランド・プリンセスと呼ばれる超大型クルーズ船には2,000人以上の乗客が乗船しているが、それでも収容人数の3分の2にあたるという。

しかし、オミクロン株による感染拡大に歯止めがかからない中でホノルル港にクルーズ船を迎え入れることに対する批判の声も上がっているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。

元ハワイ観光局役員で、隔離監視グループの広報担当をしているヒューレット氏は「ハワイ州と旅行業界が今やっていることは、全く不必要なことです。（人々が大型クルーズ船に乗って）ハワイに来たいというその考え方自体が私には理解できません」と述べている。

ハワイ州としては訪問者にワクチン接種を完了しているか陰性検査証明を求めているが、米国疫病予防管理センター（CDC）ではクルーズ船に対して「イエロー（注意）状態」としている。

これは数人の乗船客もしくは1人以上の乗務員が感染している可能性があるということだ。

CDCでは現在クルーズ船による旅行を控えるように推奨しており、ワクチン接種を完了しているかどうかにかかわらず、船内で新型コロナウィルスに接触する可能性は高いとしている。

これから2カ月の間に6隻の大型クルーズ船がホノルル港に入港することになっており、26,000人以上の乗船客がハワイに到着するが、その中には先週新型コロナウィルスに感染した10人以上の乗客を乗せてサンフランシスコに入港したルビー・プリンセス号（乗客949人）も含まれている。

カリブ海の二つの島国では、乗務員と乗客合わせて55人がワクチン接種完了していたもののコロナに感染していたことが判明したことから、先月クルーズ船の入港を禁止する措置を取ったばかりだ。

一方、観光業界ではクルーズ業界が動き始めたことはパンデミックから観光業界が立ち直るために必要なことだと歓迎している。

クルーズ業界はピーク時には毎年143,000人の訪問客と5,800万ドル以上の消費をハワイ州にもたらしており、ハワイ州内での雇用も生まれている。

観光業コンサルタントのキース・ビエイラ氏は「クルーズ船をハワイに呼び寄せることは観光業にとって大切なことです。そうでなければ、クルーズ船はどこか別の場所に行ってしまいます」と述べている。

ハワイ大学の旅行経営学の教授であるジェリー・アグルサ氏は「今回こんなに早くクルーズ船の入港を認めたことは本当に驚きです。今までの例から見てもクルーズ船内ではコロナ感染が拡大する可能性があることは明白です」と述べている。