連邦裁判所、原告に700万ドル支払い命令
ホノルル巡回裁判所の男性保安官代理が2014年、元女性受刑者2人に対し違法に身体検査をしたとされる事件で、連邦裁判所はハワイ州当局に賠償金700万ドル(約8億円)を支払うよう命じたとKHON2が報じている。
原告側の弁護士は、「多額の賠償金支払い命令が下った背景の1つに、公安当局が事件に関する捜査と裁判を終了させたかったという意向があった」と述べた。700万ドルの支払いについて、陪審員裁判では開始からわずか1時間45分で評決が下った。
約3週間にわたり米連邦裁判所で行われた民事裁判は、開廷に至るまで数年間を要した。原告の元女性受刑者2人は2014年、ホノルル巡回裁判所の独房棟で「男性保安官代理に身体検査をされた」と当局に報告した。原告の1人のエリザベス・ミューラーさんは、「身体検査の際、抵抗すると自分の立場が悪化する可能性があると感じた」と話した。
原告側代理人のランソン・クパウ弁護士は、「身体検査が行われた独房棟のドアは大きく開かれていた」とし、「棟の前を通る他の保安官や受刑者らが、検査で女性たちが衣服を脱ぐ様子などを見ることができた」と主張した。
また、原告側代理人のマージェリー・ブロンスター弁護士は「身体検査が報告された際、公安当局はそれをもみ消そうとした」とし、「そのことで、ミューラーさんらが性的暴行の被害届を提出時期が遅くなった」と述べた。
ミューラーさんによると、男性副保安官は、法廷で自らの罪を認めたという。
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2021.12.16)
シェアする