秋の深まるマンハッタン。ホリデーシーズンに突入し、街はイルミネーションも増え秋色になった樹々たちとキラキラと輝くイルミネーションが絶妙なるハーモニーで街をより一層煌めかせている。
セントラルパークの紅葉も見事なピークを迎えており、街中がロマンティックなムードに包まれる中、今月はオークションハウスでアート作品の競売が盛り上がった。
経済がまわりはじめる兆候として真っ先に売れはじめるもののひとつがアート。去年はアートを買い控えをしていた富裕層たちも、今年はこぞってアートの買いを再スタートさせている。
アートは鑑賞して心を豊かにしてくれるだけでなく、お金をうみ出す大事な資産。投資としての価値も高い。好きなアーティストの作品をコレクションをしていて5年後、10年後、20年後…数万円、数十万円で購入した作品たちが数百万、数千万円を超えていた、という話はNYではよく聞く話だ。
競売が始まる前、オークションハウスでは作品を期間限定で一般公開する。夫とともに、サザビーズオークションハウス、そしてクリスティーズを何度か観て回った。
ピカソにモネにゴッホにバスキア…、みなが知るような巨匠アーティストから今旬のアーティストまで、今まで見たことのない作品が勢揃い。競売にかけられている作品たちは、それぞれだれかのプライベートコレクション。今までだれにも見せずに保管されていたり、美術館に貸し出ししたり、また企業や個人宅で飾っていたり。とにかく一般に公開される機会が極端に少ない作品ばかりだ。
会場では、作品前にロープひとつなく至近距離で観れるだけでなく、額の中にガラスが入っていない作品もたくさん。美術館ではあり得ない体験ができる。
目の前で次々と作品が壁から外されて別室へと運び込まれていく。プライベートショーイングといって、本気で競りを考えているお客様が作品の裏を見たり状態を確かめたり、プライベートな空間で作品の最終チェックを行うのだ。
推定予想額が数百億円を超えるモネ作品も、いとも簡単に目の前で別室へと運ばれていった。103年前にモネが描いた作品が運ばれていく様子は、まるで夢の中にいる気分。
会場で出会った作品たちは今後も美術館等でお目にかかる機会はほとんどないだろう。
一生に一度の出会いをしてくれた作品たちに、ありがとう。
私の旅ストーリー
大森 千寿
NY在住。香川県高松市生まれ。アーティスト・作家・アートセラピスト・米国NLP協会認定マスタープラクティショナー・現代レイキマスター。NY・ハワイ・日本の3箇所にアートスタジオを構え活動。著書に、amazon電子書籍「ハワイに不動産を購入して人生10倍楽しむ方法」「ハワイで聞いた! 32通りの生き方(第一弾)」「人生の冒険」がある。NYで新しい扉を開く2日間プログラムやニューヨーカーと行く穴場ツアー、アート最前線ガイドなど開催中。 www.chizuomori.com ameblo.jp/adamwestonart
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