【ハワイニュース】FBI捜査官による民間人射殺事件 発生から10年「3回目の起訴はない」ホノルル市検察局
ホノルル市検察官のスティーブ・アルム氏は15日、2011年にワイキキのマクドナルド店内で民間人のコリン・エルデルツさんを射殺したFBI捜査官クリストファー・ディーディ氏に対する3度目の裁判は行わないことが決定されたと発表した。
事件発生時、ディーディー氏はエルデルツさんと口論をしていたとされている。ディーディー氏は当時行われていたアジア太平洋経済協力サミットのセキュリティとしてホノルルに滞在していた。弁護士は、ディーディー氏が銃を発砲したのは「自衛のためだった」と主張したが、検察側はディーディー氏は当時酒に酔っており「口論を激化させて」発砲したと反論していた。
アルム氏は、「検察側は過去2回の裁判でディーディ氏を有罪にすることができなかった」とし、「2013年に行われた1回目の裁判は評決不能陪審で終了した。2014年に行われた2回目の裁判では、被告人は殺人罪では無罪とされたが過失致死罪で有罪となり、判断が行き詰った」と述べた。
被告人弁護士のトミー・オオタケ氏は「依頼人は3回目の裁判が却下されたことに安堵している」とした上で「この決定は祝うものではなく、我々は被害者家族の心情を慮っている」と話した。オオタケ氏はまた、元ホノルル市検察官のキース・カネシロ氏が引き続き事件を追求していることを批判し、「検察官は多大な権力を持つが、この事件についての捜査や裁判での誠実さと倫理性に欠けていた。却下を決定したアルム検察官に感謝している」と述べた。
最高裁判所は昨年、事件審理のための3回目の裁判の開廷を却下し、検察側は「過失致死罪を追及できない」という連邦裁判官の判断を概ね支持した。アルム氏は「3回目の裁判が行われたとしても、再度評決不能陪審になる可能性が高かった」と述べた。
写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2021.11.16)
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