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【ハワイニュース】アフリカ系の10歳少女逮捕「人種的な動機ではない」ホノルル警察署

20201月に10歳のアフリカ系少女が学校内で逮捕されたことに関し、ホノルル警察署(HPD)のレイド・バニック暫定署長は9日に発表した声明の中で、逮捕された少女が「少女が銃で狙いを定め、他の2人の生徒の頭が切断された絵」を描いたと述べた。また、事件当時の少女の逮捕と警察官の対応には人種的な動機はなく「HPDは人種に基づく法執行機関の介入や援助を要請する911の通報には応じない」と説明した。

アメリカ自由人権協会(ACLU)と、少女の家族の代理人のマテオ・カバレロ弁護士は声明で「10歳の少女は(学校で)いじめに遭っていた」と主張した上で、50万ドル(5,700万円)の賠償金と公立学校の生徒とのやり取りに関する警察の方針の変更を要求した。これに対し、バニック暫定署長は要求された変更を行うことを拒否することを明らかにした上で次のように述べた。

ACLUとカバレロ弁護士が公表を拒否しながらも『不快』と説明していた少女の絵について、(弁護士が)依頼人の描いた絵を『不快なスケッチ』として特徴づけることは大きな誤解を招く恐れがある。また、少女は2人のクラスメイトを名指しして汚い言葉を使ったメッセージを書いた。名指しされた生徒の1人は脅迫を真剣に受け止め、動揺し、苦しみ、恐怖を感じ、親にそのことを伝えた。

その後、小学校の職員らがHPDに連絡した。これに対しHPDは、学校での銃撃や本土で起こった暴力の激化の事実に照らし合わせ、その方針と適用方法に従って行動した。HPDが対応するのに十分な『差し迫った』状況であるかどうかについて、学校職員からの通報だけでは推測できない」

カバレロ弁護士はホノルルスターアドバタイザーに宛てた声明の中で、HPDの回答について「HPDは未成年者の憲法上の権利の保護を主張しつつ、保護者がいない場所で子どもに尋問する権利を主張している。少女が自由に出入りすることができない部屋でHPDの尋問を受けたことは、憲法上の権利と相容れない」と述べた。

少女の母親のタマラ・テイラーさんは「手錠をかけられ、逮捕、尋問されたことで、ADHDの障害を持つ娘は警官から過度の圧力を受けた」と述べた。当時、テイラーさんは学校職員から学校に来るよう依頼されたが「学校では娘とは別の部屋に拘留され、状況の詳細な説明を受けることや娘に会うことを拒まれた」としている。テイラーさんは学校職員に警察官を帰すよう頼んだが、職員らは「『保護者が私たちに警察を呼ぶよう依頼したことは、保護者としての権利だ』と言った」と述べた。テイラーさんは、部屋を出ることが許された際に初めて娘が逮捕されたことを知り、警察署に向かったという。

カバレロ弁護士はまた、声明で次のように述べた。
「少女には、他の生徒に危害を加えたなどの懲戒記録はない。暴力的ではなく、武器を持っておらず、事件の際は学校と警察に従った。彼女は他の生徒を傷つける手段を持たず、他人に脅威や危険をもたらすことはなかった。もし学校が障害者法を遵守していれば、HPDの代わりにカウンセラーを呼んでいただろう。クラスメイトが見ている中、少女が手錠をかけられ、連行されることもなかっただろう」

写真: Al Mueller _ Shutterstock.com

(日刊サン 2021.11.10)

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