【ハワイニュース】ホノルル連邦拘置所職員らがデモ 人手不足とワクチン接種義務に抗議
アメリカ国内の刑務所局(BOP)職員らが10月29日、全国的なデモを開催し、危険を伴う労働条件や厳格なワクチン接種義務について抗議したことをホノルルスターアドバタイザーが報じている。ホノルル連邦拘置所(FDC)の職員らは同日、ニミッツハイウェイとエリオットストリートの角でデモを行った。ホノルルFDCの労働組合は「人手不足により、料理人、教師、看護師を含む人々が刑務官として働くことを余儀なくされている」と訴えている。
これに対し、BOP情報政策広報部門のスポークスパーソン、エメリー・ネルソン氏は、「ホノルルFDCは職員、受刑者、施設内の安全確保のための適切な人員配置を約束している」と語った。BOPの求人は、刑務官の欠員を埋めることに焦点を合わせている。ネルソン氏によると、10月の時点でアメリカ国内の刑務官のポジションは93%が埋まっているという。
BOPは、Google、Facebook、LinkedIn、Indeedなどさまざまなソーシャルメディアネットワーク及びプラットフォームを通じて求人広告を出している。今年3月、BOPは120日以内に新たに1,000人の職員を雇用するためのイニシアチブを開始し、7月までに1,967人が採用された。ネルソン氏は、全ての職員が「法執行報酬と法執行給付」を受け取っていると指摘した上で、次のように述べた。
「パンデミックなどの不測の実態では、訓練を受けた刑務官として追加の職員が配置されることがある。刑務所に配置された全ての職員は法執行官であり、その肩書きに関係なく刑務官とみなされる。そのような人々は刑務官と同等のトレーニングを受けており、始めから日常的・非日常的な状況下での法執行の実行が期待されていることが通知される」。
ホノルルFDC労働組合の1つ、米政府職員組合(AFGE)は、ワクチン接種を希望しない職員を対象としたPCR検査の導入を求めている。バイデン大統領は9月9日、合法的、医学的、宗教的な理由による例外的な免除を除き、全ての連邦職員を対象に11月22日までにワクチン接種の完了を義務付ける大統領命令を発令した。これに対しAFGEは、ワクチン接種を希望せず、医学的・宗教的な理由による免除の資格を持たない職員を対象にPCR検査の導入を交渉する意向を示している。
BOPの新型コロナ対応計画によると、ホノルルFDCホノルルは作業の割り当てとポリシーに「中程度の変更」が加えられている「レベル2」の施設として機能している。パンデミック開始以降、PCR検査を受けた囚人290人のうち、今月1日の時点で18人の陽性者が確認された。パンデミック以降の囚人や職員の死亡はゼロで、陽性反応が出た囚人16人と職員10人は回復した。また、1日の時点で職員156人、囚人324人がワクチン接種を終えている。
ネルソン氏は、「職員の配置は各施設のニーズに基づいており、職員の増員は刑務官の人手不足を未然に防ぐための手段の1つだ。我々はパンデミック下の対応の一環として、受刑者らへの対応の必要性と各施設の安全確保のために職員を割り当てている」と述べた。
写真:Shutterstock
(日刊サン 2021.11.02)
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