ホテルのデイユースプラン
先日、44歳になる息子が寝ている間にベッドから落ち、翌朝近くの病院へ行きました。若い先生が、息子のレントゲンを見て、複雑骨折をしているのですぐ手術が必要だが、こんなひどいのは見たことがない、という言葉にドッキリ。「では、大学病院で見てもらったほうが良いでしょうか?」とたずねましたら、そうしてくださいということになり、大学病院へ行きました。検査で、肩の脱臼と骨折がありましたが、脱臼を直してから安全な固定ベルトで肩から腕周りを固定して安静を続けると、周りの骨折とひびは治るはずですとの見解により、その方向での治療が始まりました。
そんな日々の中、運悪く隣も後ろもビルの建設中、6階と13階の建設音のすさまじさと振動で耐えられないと本人が医師に言うと、かなり強い安定剤と睡眠薬を処方されました。
苦しむ息子が不憫に思えた私は、最近、浅草の我が家の傍にオリンピック目当てで乱立したホテルの中には「デイユース(Day Use)」を始めた所もあると聞き付けました。
ホテルの「デイユースプラン」とは、コロナ禍の中でテレワーク勤務などで個室を必要とされている方に、「お仕事」や「学習」の場として、日帰りプランとして生まれたホテルのスタイルです。
息子の体調を案じて、9時から19時までの使用で浅草駅前ホテルをとりあえず予約しました。お部屋の中は、雑然とした私の自宅とは大違い、なんだか旅に出たような気がしましました。普通でしたら15時チェックイン10時チェックアウトですが、朝からの日中使用スタイルも良いものだな~、と知りました。
価格も通常宿泊代の半分位というのも魅力的。ホテルのお部屋が取れたから、と息子に電話をしたものの、身体がだるく家の外へ出て行くのも億劫だと言うのです。
しかたなく本を持参していた私は、ホテルのベッドでゆったりと読書をして、ランチは近くでハンバーガーを買って、息子にも届けて、自分の分はホテルに持ち帰り部屋で食べました。土曜日だったためか、若い家族連れも何組かがランチのお弁当らしき袋を持ってエレベーター前にいました。
浅草には、“花やしき”という小規模な遊園地もあります。家族連れには、持ってこいの都内の穴場なのかもしれません。
コロナ禍での自粛生活は、多くの人々の心も疲弊させてしまったと思います。コロナ禍で、ホテル業界が生み出した苦肉の策がデイユースプランだったのではないでしょうか?
ハワイ留学へ 60代からのユルユラAloha留学 No.107
蒼井 絹子
北海道生まれ。学習院女子短期大学英文科卒業。
1984年「ベルーシの涙は、スニーカーブルース」が、NHK北海道ラジオ創作ドラマで採用
1987~89年 3人の小学生の子供達を連れて渡米。シアトルのグリッフィンカレッジに 留学・卒業。シアトル日本語放送局にて番組を担当
1994年 北海道にて、陶芸工房【G-club】を開設
1997~2001年 北の生活産業デザインコンペにて入選・入賞
2002年 財団法人中小企業総合研究機構会長賞を「マグネット・アート」で受賞
2003年 東京に工房・オフィスを開設
2011年 日本旅行作家協会入会。東京都TASKものづくりコンテストにて奨励賞を受賞
2012年 東京都美術館「東京展」にて「マグネットアート」入選
2014年7月7日より、ハワイマッサージアカデミーへM-1(技術取得ビザ)にて留学
2015年1月17日 同校卒業
2020年12月 著書「人生の“サバティカル”留学」を上梓