しゃべるほど、笑うほど 抗菌力が上がるマスク登場
コロナ禍でもっとも重宝されているのがマスクです。エチケットとしてより必須の装着を望まれています。そこでこのほど、素晴らしいものが発表されました。それは「笑うほど」「喋るほど」抗菌効果が高まるマスクなのです。
村田製作所と帝人が共同で、口の動きで抗菌効果が生まれる新素材のマスクを作ったのです。ピエクレックスのマスクは、伸縮すると微弱な電気が生じ、抗菌効果を発揮する独自の繊維で出来ています。
歪みや応力により電気を発生する性質をもつ、ポリ乳酸を原料とした繊維で、発生する電気エネルギーを抗菌機能の実現に活用しています。ポリ乳酸素材は応力が加わると電気を発生する性質を持っており、この電界により抗菌作用が生じるのです。
発生した電気により繊維間には1ボルト程度の電界ができ、電流が発生します。流れる電流は微弱ではあるものの、繊維間に捉えた菌を死滅させることができるので、抗菌効果を発揮します。埃、細菌、ウイルスなどが除去されるわけです。
原料はトウモロコシのポリ乳酸で、食物由来です。効果は繊維が切れるなどしない限り続くようです。
金属などでこの抗菌作用をもつ繊維を開発し、マスクを作っている例もあるのですが、コストパフォーマンス的に高価なようです。ところがその点とうもろこしですから、コスト面では問題が無いようです。
マスクは、従来、口の動きをなるべくしないように、また、エアロゾルなどを発散しないようにと装着しているのですが、それが、マスクをつけている限り、大声で話しても奇声を上げてもよいのですから、画期的です。
まだ発売前ですし、価格がどうなるかは不明です。それでもこういった新製品が登場するたびに、繊維メーカーの躍進には希望があると感じますね。
No.297
となりのおじさん
在米35年。生活に密着した科学技術の最新応用に興味を持つ。コラムへのコメントは、 [email protected]まで
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