ブースター接種「感染予防への有効性高い」専門家
新型コロナウィルスのデルタ変異株に対するワクチンの有効性や、ブースター接種(追加接種)の感染予防効果の詳細について、新たなデータの報告が続いている。
ブースター接種は、人の体内で新型コロナウィルスへの抗体が増加するよう設計されている。イスラエルでは7月30日からブースター接種が導入されたが、その後1ヶ月間で110万人がブースター接種を受けた。信頼できるデータを取得するのに十分な人数だ。イーストウエストセンター特別研究員のティム・ブラウン博士は「(イスラエルのデータで)ブースター接種が感染者及び感染者の重篤化を約10分の1に減少させていることがわかった」と話した。つまり、ブースター接種はハワイ州の地元住民間でのウィルス感染拡大を阻止するのにも非常に有効である可能性が高いという。
mRNAワクチンの接種について、現在の研究報告ではウィルスに感染した場合の重篤化予防の有効性は高いものの、デルタ変異株感染防止の有効性は50~60%に留まっている。ブラウン博士は「この場合、免疫には2つのタイプがある」という。「1つ目は感染に対する免疫だが、これは時間の経過と共に低下すると見られている。それに伴い、ブースター接種の必要性が認識されるようになった。2つ目は重篤化に対する免疫。こちらは時間が経過しても非常によく持ちこたえており、免疫率の低下はごくわずかだ」。
CDC(米疾病予防管理センター)は、FDA(米食品医薬品局)の承認後の9月20日から、2回目のワクチン接種の8か月後から接種できるブースター接種を導入する見込みだ。CDCは、ジョンソン&ジョンソン社製ワクチンを接種した人についても「ある時点でブースター接種が必要になる可能性が高い」としている。
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2021.08.31)
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