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霊安スペースの不足に備えて

霊安スペースの不足に備えて

現時点において新型コロナウィルス感染による死亡者は急激に増加していないものの、ホノルル市は最悪の事態に備えているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。

市当局では安置所、病院、葬儀施設などの霊安スペースの不足に備えて、死者の尊厳を守って対応するために非常事態用の霊安スペースの確保しているという。

昨年連邦政府から地方自治体へ与えられたコロナ救済基金のうち、ホノルル消防署では33万ドルを利用して霊安室トレーラー3台を購入していた。

3台のトレーラーは今年1月にオアフ島に到着しており、稼働に備えて準備をしている。

ホノルル市エマージェンシー・サービス局の局長であるジム・アイルランド氏は「この件について話さなくて済むのであれば本当に話したくないような話題なのですが、悲しいことに今のコロナの状況は非常事態なのです」と述べている。

当局によると、「このトレーラーを使用しないで済むことを望んでいるが、もしも遺体を安置するスペースが必要となった場合には対応する準備がある」という。

ホノルル消防署のライオネル・カマラ氏は「1台の霊安室トレーラーには50人の遺体を敬意をもって安置することができます」と述べている。

現時点で、霊安スペースは不足していないものの、ホノルル検死官事務所の主任であるシャーロット・カーター氏は「もうすぐトレーラーを必要とする時期が来るかもしれません。海で溺死する方もいます。ガンで亡くなる方もいます。心臓発作の方もいます。コロナとは関係なく死亡する方はいるのです」という。

ハワイ州で現在コロナに感染している人は8,600人を超えており、主な医療機関の集中治療室や救急治療室にはすでに空きベッドがない状態だ。

アイルランド氏は「医療機関は基本的にもういっぱいです。コロナ患者であろうと、その他の病気であろうと、治療を続けることができないほどの瀬戸際に来ています。この状況を変えるには皆さんの力が必要です。ワクチン接種を受けてください。手遅れにならないうちにお願いします」と述べている。

写真:Shutterstock.com

(日刊サン 2021.08.20)

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