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身元不明戦没者のDNA鑑定を希望

身元不明戦没者のDNA鑑定を希望

ウィリアム・エドワード・マン氏はワシントン州の高校を卒業した後、海軍に入隊してハワイで任務に当たっていたが、第2次世界大戦中日本軍による真珠湾攻撃で停泊中の戦艦アリゾナが海に沈んだ1941127日に死亡したとされている。

そして今、ウィリアムさんの姪にあたるテリー・マン・ワイアットさんは、身元不明戦没者として埋葬された85名の海軍および海兵隊員の身元をDNA鑑定によって確認してもらいたいと希望しているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。

テリーさんは「真珠湾で亡くなった人たちは国のために尽くして命を落としたのです。彼らには名誉と尊敬を受ける権利があります」と述べている。

真珠湾攻撃では1,177人が命を落とし、900人以上が戦艦とともに沈んだとされている。

戦艦アリゾナに当時乗船していた乗組員はそこで戦死したことになっており、遺体は今でもそのまま海に眠っている。

しかし、ハワイのパンチボウル国立太平洋記念墓地には戦艦アリゾナの乗組員として85人が身元不明のまま埋葬されている。

戦争で亡くなったアメリカ軍人の身元確認特定を担当している国防省の担当局長が今年2月に行われた会議で、この件について質問された時にこう答えた。

「パンチボウルに埋葬されている身元不明の戦没者の墓を掘り起こして、身元確認の作業を行わずに遺体を海中の戦艦に戻すことについて海軍と話し合ったことはある。身元確認作業には実用的意味がない」

この答えに対して一部の人々が、墓に埋葬されている85人の戦没者の遺体が身元不明のまま、海に沈んだ戦艦の中に安置されてしまうかもしれないと怒りを爆発させた。

当局はその後、墓地の遺体を掘り起こして海中の戦艦に移動させる計画はないと否定し、これは数年前に非公式に話し合った可能性のひとつに過ぎないと述べたが、これから身元確認をする計画もないと発表した。

理由は、身元を確認するための十分な書類が存在しないからだという。

「実用的意味がないというのは、費用のことではなく身元を確認するための手段がないという意味です。我々は限られた人員で可能な限り効率よく全ての軍人家族のために働かなければなりません」

防衛省担当局では第2次世界大戦以降の戦場で行方不明となっている8万人以上の軍人の身元を確認する作業を行っている。

戦艦アリゾナの乗組員としてひどい火傷を追ったランディ・ストラットン氏は現在97歳で、身元不明者として墓地で眠っている85人の身元を確認するように求める運動に今も力を注いでおり、残された家族から数十件のDNAの提出を受けている。

科学技術の進歩により遺体からのDNAサンプルで身元確認が可能となったのは最近のことだ。

この技術を身元不明戦没者の身元確認のために利用するには、個人情報の取り扱いなど先に取り組まなければいけない問題があるということだが、それを心待ちにしている人々がいる。

写真:  Shutterstock.com

(日刊サン 2021.08.02)

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