シャンパンはロシア産?
ロシアのウラジミール・プーチン大統領は7月3日に「シャンパンという言葉はロシア産シャンパンにだけ使用することができる」と発表したことから、有名なモエ・ヘネシー社はロシアへのシャンパンの出荷を取りやめたとフォックス・ニュースが伝えている。
モエ・ヘネシー社はフランスの高級ブランドLVMHグループの一員で、モエ・シャンドン、ヴーヴ・クリコ、ドン・ペリニョンなどの有名なシャンペンブランドを所有している。
同社の報道担当であるアン・キャサリン・グリマル氏は「ロシアでの新しい法律に対してどのように対応するかを検討するために一時的にロシアへの出荷を停止することにしました」と発表した。
シャンパンという言葉は、一般的にはフランスのシャンパーニュ地方で作られたスパークリング・ワインを指し示すものだと理解されている。
しかし、ソビエト連邦だった時代には、シャンパン(ロシア語でシャンパスコイェ)という言葉は、スパークリング・ワイン全般を示すものとして使われていた。
今回のプーチン大統領による法律について、ロシアのワイン製造業社からもやりすぎだとの声が上がっている。
「本物のシャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方産のものだということは疑う余地もない。確かに自国のワイン産業を守ろうということは重要だが、法律は常識的な範囲で規制を行うべきだ思う」
フランスのシャンパン委員会は「当委員会としては、ロシアの消費者がワインの特性とその原産地について明確な情報を得られなくなるような今回の法律について遺憾に思う」と発表した。
ロシアのレストラン経営者はインタビューに「シャンパンがなくなってもクーデターは起きないし、ロシア人富裕層は死なないよ。もうすぐスコッチ・ウイスキーやアメリカン・ウイスキーもウイスキーって言葉を使えなくなるかもね」と冗談を飛ばした。
写真 : Shutterstock.com
(日刊サン 2021.07.09)
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