記憶の中の香り
みなさん、こんにちは。あっという間に春がやってきました。最近は、夏の気配すら感じるハワイですね。お子さんがいらっしゃる方は、もう学校が夏休みになるのも目前です。まだまだ、日本との行き来は簡単ではありませんので、普段と違う夏休みを計画されている方も多いのではないでしょうか。
さて、私はというと地味にアロマのお仕事を続けています。レッスンは大勢ではできないので、ほとんどプライベートレッスンで行っています。先日は、アロマ調香のプライベートレッスンを行ったのですが、受講された方はハワイ在住歴は長いものの、生まれも育ちもノースカロライナだそうで、生まれも育ちも日本な私と全く違うバックグラウンドを持っていました。そして、レッスンを通して改めて香りと記憶の結びつきは深いのだなと思いました。
彼女は、マッサージセラピストであり、精油を使ってマッサージをしているそうなのですが、最初に相談いただいたのは「どれとどれをブレンドしても、同じような香りになってしまう」とのお悩みでした。相談、疑問、大歓迎です!! 彼女には、「それはブレンドの際に精油の組み立て方を知らないからです。それがわかれば、ご自分でできるようになりますよ」と助言しました。
マッサージセラピストの方は、私の経験からもそうなのですが、クライアントの症状に合わせて精油を使うことがほとんどなので(中には、好きな香りを選んでもらっている方もいます)、使用する精油も偏ってしまいます。よって、手元にある精油だけでブレンドをしようと思うと、似たような香りになってしまうのかもしれませんね。アロマ調香レッスンでは、100種類近い精油を使って、ブレンドの仕方を学びます。その中にはもちろん普段からよく使う精油もあれば、未知の精油もあるわけです。たくさんの香りをかいでもらっている中で、彼女の記憶の中の香りがだんだんわかってきました。「これは子供の時を思い出す!」とか、「キッチンにいるようだ」という香りは、クッキーやキャンディーを思わせるような香りだったり、スパイス系のシナモンやクローブなどでした。
今回は、少し日本の精油(和精油)も紹介したのですが、ゆずは柑橘系なのでとても気に入ってくれましたが、ヒノキは「何これ?! ムリ」と言われてしまいました。ヒノキは日本人にとって、家の中やお風呂など、リラックスできるイメージの香りですが、彼女の記憶にはもちろんあるわけもなく、苦手だったようです。ただ、単体で苦手な精油でも、ブレンドすることによって良い香りに返信させることができるので、精油はとても面白いのです。症状を重視して使用するときも、それぞれの精油の相乗効果を考えて、単体よりはいくつかをブレンドして使うことをお勧めします。アロマはやっぱり面白い!
アロマのある生活 No.153
山中麻瑠 Maru Yamanaka
1999年に渡豪、IFA認定アロマセラピストとなる。オーストラリア某有名デイスパ、日本で医療現場、ホテルスパ、等で経験を積み、アロマセラピスト育成講師も務める。2005年ハワイに渡り、2008年より11年間アロマアットホームのオーナーを務める。現在、アロマセラピーを広める活動中。2014年からアロマセラピーワークショップ開催。
インスタグラム:@marukimoto_808aroma
FBページ:MY Essence Hawaii
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