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射殺されたミエニさんの妻、市と警官3人を民事提訴
 ホノルル

射殺されたミエニさんの妻、市と警官3人を民事提訴 ホノルル

ヌアヌの住宅地で14日、強盗容疑で警察官に射殺されたリンダニ・ミエニさんの妻リンゼイ・ミエニさんが、夫の不当な死を理由にホノルル市と3人の警官を民事提訴した。

リンゼイさんはニュース・リリースで「夫の死についての情報をホノルル警察から得られなかったため、市と事件に関与した3人の警官の提訴を決断した」と話した。また、「リンダニの死の1週間後、私は法廷に赴いて情報開示を要求したが却下された。この提訴で事件の検討を求めることは、私たちが必要な情報及びリンダニに相応しい正義の獲得に役立つと信じている」と述べた。

リンゼイさんの代理人のジム・ビッカートン弁護士は記者会見で次のように話した。
「複数の情報開示請求があったにも関わらず、ホノルル警察は未だ事実を公開していない。住民の通報及び警官が出動した際に録音された音声や、ホノルル警察が公開した部分以外のボディカメラの映像を未だ見聞きすることができていない。警察はまた、リンダニさんの携帯電話を『証拠』として保持し、結婚指輪やその他の私物をリンゼイさんに返却すらしていない」

ビッカートン弁護士は「一般公開されているボディカメラの映像には事件当時、現場にいた警官によって攻撃が開始されたことが示されているため、今回の訴訟は正当なものだ」と主張した。また「警官はリンダニさんの顔面に強い光を当て、銃を向けた上で地面に腹這いになるよう命令したが、警官であるという身元を宣言しなかった。これは暴行であり、法的権力の乱用だ」と述べた。その上で「警官が、リンダニさんの命がかかっている瞬間にリンダニさんの顔をライトで照らし視界を遮った」ことを強調した。

一方で警察側は、29歳の南アフリカ人であるリンダニさんが、現場にいた警官らを負傷させた場面が映像に残っていると主張している。ホノルル警察本部で16日に行われた記者会見で、警察署幹部のアラン・ナガタ署長代理は、この事件に関係した警官らを「勇敢であり、自分たちの命を護るために戦った」と称賛した。警察側はまた、警官はリンダニさんを射殺後に初めて身元を明かしたものの「彼らが誰なのかは明らかだった」主張する一方、警官が銃を使用する直前、口頭で命令し、続いてテーザー銃を含む他の手段を使用したことを認めている。


これに対しビッカートン弁護士は「警察はリンダニさん殺害の際、法的に定められた手順に従ったかどうかを証明する必要がある」と述べた。リンダニさんは「我々は警察である」という必要不可欠な宣言を聞く機会さえ与えられないまま致命的な状況に陥ったとしている。また、ボディカメラに収められた全ての映像、通報時と警官出動時の音声の非公開、及びリンダニさんの私物を返却しない理由を明らかにしていないという。ビッカートン弁護士はまた、リンダニさんが精神的に問題を抱えていたのではないかということや、事件当時薬を服用していたのではないかという推測を含め、精神状態が不安定だった可能性があるという一連の憶測を否定した。リンダニさんは死の2時間前に友人と電話で話したが、その際「騒ぎを起こしたり奇妙な行動をする兆候はなかった」としている。また、リンダニさんは事件当時、現場近くのヒンズー教寺院に行こうとしたが、間違えて通報者の住宅に入ってしまった可能性もあるという。その上で弁護士は「以前リンダニさんが住んでいた南アフリカの高犯罪地域での経験や、ラグビー選手として学んだこと」が、事件当時警官に襲いかかったというリンダニさんの行動を裏付ける可能性を示唆した。

(日刊サン 2021.04.23)

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