警官関与の銃殺傷事件、ACLUが独立機関に調査要請 ホノルル
今月ホノルルで発生した警官が関与した2件の銃撃殺傷事件について、ハワイACLU(アメリカ自由人権協会)及び被害者の弁護士は、月曜日に発表した声明の中で「警察官が武装していない容疑者2人に対して銃を発砲したのは人種差別的であり不当だ」と述べた。
ACLUは、現場にいた警官らは2人の男性に対し即座に銃を向け発砲して殺害したが、2人とも「有色人種」だったことを憂慮している。1人目は16歳のミクロネシア人男性イレマンバー・シカップで、4月5日にマッカリー地区で警察車両とのカーチェイスの末射殺された。2人目は29歳の南アフリカ人の黒人男性リンダニ・ミエミで、4月14日にヌアヌ地区で警官との激しい乱闘の末に射殺された。
ホノルル警察が16日に公開した警官のボディカメラの映像では、攻撃体制に入った警官がミエニに銃を向けながら、自らの身元を明かさずミエニに接近している場面が残されている。ハワイACLUのウーリー・キム法務部長は「黒人のミエニに対する警官の明らかな、または暗黙の人種的偏見がこの状況で何らかの役割を果たしていたのではないか」と述べた。その上で「マッカリーで射殺されたシカップも有色人種であり、シカップの事件から数週間も絶たないうちにミエニの事件が発生した。ホノルル警察は、人種的偏見に対する解決策を視野に入れた警官の採用、訓練、監督を十分に行っていない」と強調した。
ACLUは法執行審査委員会に対し、シカップ、ミエニ、及び「ホノルル警察によって殺害されたが、独立に調査が行われていない全ての人々」の銃撃殺傷事件を直ちに調査するよう要請した。ハワイ州警察官組織委員会のマルコム・ルツ委員長はACLUが発表した声明について、銃撃事件が捜査中であることを理由にコメントを拒否した。その上でルツ委員長は、「ホノルル警察に所属する警察官は、武力行使よりも口頭で状況を伝え、行き過ぎた対応をしないよう訓練されている」と主張した。
(日刊サン 2021.04.20)
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