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自宅ビジネス始めるシェフ増加 経済的理由と食品衛生法の狭間で賛否

自宅ビジネス始めるシェフ増加

経済的理由と食品衛生法の狭間で賛否

新型コロナウィルスによるパンデミックで、昨年3月、ホテルのエグゼクティブ・シェフだったマイク・ウィネカーさん(33)は職を失った。その後、スコッツデールの自宅で6歳の息子の世話をしながら失業手当を待っていたが、その間は毎日ストレスを感じていた。

6月のある夜、ディナーにビーフ・タコスを作った際、材料が有り余っているのに気付いたウィネカーさんは、タコスを作って売ることを思い付いた。ウィネカーさんはまず、アプリの「Next Door」に、ブリスケット・バルバコア・タコスの自宅での販売を告知した。この試みで、1日少なくとも300ドルの売り上げがあった場合は販売を継続しようと思っていたが、初日に1800ドルを売り上げることができた。現在、ウィネカーさんのメーリングリストには約300人が登録されており、週に2回、メールとInstagramを通してタコスを提供している。

パンデミックで職を失ったシェフで、ウィネカーさんのように自宅のキッチンで料理を作って販売している人は多い。しかしその場合、衛生法に沿って販売が行われているかが問題になってくる。食品業界法専門のホーガン・ロヴェルズのマーティン・ハーン弁護士は「即時消費される食品提供に関する規則は州によって異なり、これは複雑な状況を生み出している」としている。一般に、州政府は連邦政府のガイドラインに従うが、郡と市は許可とライセンス条件を優先する傾向にある。また一部の州では、社内での調理を許可するコテージ・フード法があるが、それらはジャムやパンなどの「低リスク」製品に限られている。ハーン氏は「私の仕事ではまず、地元の保健部門に電話をし、ライセンス要件や必要な許可、依頼されたタイプのビジネスが自宅外で営業することに制限があるかどうかを調べます」と話した。

食品の安全性に関するワークショップを行ったラトガーズ大学食品科学学科のドン・シャフナー教授は、生肉などを使った家庭料理の消費者は、ある意味「賭け」をしていると語った。シャフナー教授は、この場合、消費者は販売者が材料の適切な保管などの重要なガイダンスに従っていると仮定する必要があるとし「経済的な理由から失業したシェフがそういったビジネスをすることは理解できるが、食品の安全性や衛生環境を鑑みると支持することはできない」と述べた。

アリゾナ州の場合、コテージ・フード以外で販売される食品は、郡の環境衛生部門から免許を取得し、認可された業務用の厨房で調理する必要がある。ウィンカーさんは免許を取得しており、業務用冷蔵庫で材料を保管し、マスクと手袋の着用を始め、衛生には十分気を遣っていると主張している。

(日刊サン 2021.04.12)

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