カハラ銃撃事件容疑者は潜水艦部隊配属の海兵隊員 ハワイでは16ヶ月間で3人の隊員が自殺
カハラ銃撃事件容疑者は潜水艦部隊配属の海兵隊員 ハワイでは16ヶ月間で3人の隊員が自殺
カハラ・ホテル・アンド・リゾートで起きた銃撃事件で、自殺した容疑者の男は米海軍太平洋艦隊潜水艦部隊配属の海兵隊員だったことが明らかになった。海軍は、自殺した海兵隊員の身元や軍の階級などを公表していない。過去16ヶ月の間、ハワイでは今回の事件と合わせて潜水艦部隊所属の海兵隊員3人が自殺している。
この事件で、全米における軍人の自殺率の高さに対する問題が改めて浮き彫りにされた。昨年10月1日に発表された米国防総省による年次自殺報告書では、現役軍人の自殺率は2019年に過去6年間で最も上昇している。2019年に自殺した現役軍人は498人とされており、全米における現役軍人の自殺率は10万人あたり25.9人となった。
ハワイでは今年3月15日、潜水艦USSシャーロット配属のカリフォルニア出身の23歳の3等兵が、真珠湾海軍造船所の桟橋で夜間に拳銃自殺した。また、2019年12月4日には攻撃型潜水艦USSコロンビア配属のガブリエル・アントニオ・ロメオ(22)が、真珠湾海軍基地で3人の民間人に向けて発砲した後、拳銃自殺した。この銃撃事件で、民間人のヴィンセント・カポイ・ジュニア(30)とロルダン・アグスティン(49)が死亡し、ロジャー・ナカミネ(36)が負傷した。
ハワイ州が発表した2020年の統計では、自殺が死因となった死亡者は10~34歳で2番目に多く、35~44歳ので4番目、45~54歳で5番目、55~64歳で8番目、65歳で17番目だった。
アメリカ自殺防止財団によると、ハワイ州の自殺率は全米50州のうち41番目。州のデータによると、1年間で平均190人のハワイ州住民が自殺している。また、2014年から2018年にかけてハワイ州で死亡した人のうち、ハワイ州居住者ではない人の死因で5番目に多いのが自殺だった。
ハワイ・ビジター・アロハ・ソサエティの社長兼最高経営責任者、ジェシカ・ラニ・リッチ氏は、カハラの状況は独特だったものの、ハワイ州及び他の州におけるホテルでの自殺は、一般に認識されているよりも頻繁に起こっていると述べた。リッチ氏は「残念ながら、私たちの仕事の1つにホテルで起こった自殺の対処がある。この10日前にも大手ホテルで1件の自殺があったばかりだ。自殺は必ずしもニュースになるとは限らない。カハラホテルの事件は、銃撃が起こったことでニュースとして世間に知られることになった」と話した。リッチ氏によると、家族や友人から離れた場所での自殺を目的としてハワイを訪れる旅行者もいるという。
自殺を考えている人を対象とした支援団体へのアクセスは次の通り。
電話:800-273-8255 (National Suicide Prevention Lifeline)
ウェブサイト:Speaking Of Suicide.com/resources
(日刊サン 2021.04.12)
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