ワクチン接種者へのドーナツ無料提供、肥満率を懸念する専門家らが批判
ドーナツ会社のクリスピー・クリームが現在展開している新型コロナワクチン接種済みの客にドーナツ1個を無料提供するというプロモーションに対し、アメリカ人の肥満率を懸念する一部の医療専門家らが警鐘を鳴らしている。
クリスピー・クリームによると、今月22日から年末まで毎日、ワクチン接種者に対して無料ドーナツの特典を適当するという。特典は何回でも利用できる。一部の批評家は「いつでも、毎日でも」無料のドーナツを提供すると述べている、同社のプレス・リリースの言葉に問題があるとしている。
また、医師やウェルネス・リーダーなどの専門家は、パンデミックの渦中にある人々にとって、このプロモーションが何を意味するかについて懸念を表明している。救急医療専門医のリーナ・ウェン医師は、「毎日のドーナツは健康に良くない」とツィッターに投稿した。ウェン医師は、ドーナツを毎日食べた場合、年末までに15ポンドの体重増加の可能性があるとしている。一方でソーシャルメディアには「時々食べるだけなら一部の医師が示唆したほど有害ではない」と主張する投稿もある。
CDCは、2017年、2018年のアメリカ人の肥満率は42.4%に及ぶと報告している。新型コロナウイルスによるパンデミックは、あまり活動的でない生活を送るアメリカ人の大幅な体重増加に追い討ちをかけている。複数の研究では、コロナウィルスに感染した患者が肥満の場合、より高い死亡リスクがある可能性があることがわかっている。
クリスピー・クリームのスポークス・パーソンは、フォックス・ニュースに対し、無料ドーナツのプロモーションは害を及ぼすことを意図したものではなく、楽しみとして時々食べるものとして打ち出したと話す。また「当社は、ワクチン接種者に無料ドーナツを毎日手に入れるよう求めているわけではなく、全ての人にワクチン接種が適用されていないことを念頭に年末まで利用できるようにしている。このプロモーションはワクチン接種を推進し、アメリカを安全な国に導く役割を果たしている」と述べた。
(日刊サン 2021.03.30)
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